■精神奴隷解放運動 case4(2014年10月5日)@三軒茶屋HEAVEN'S DOOR

 今回はWonderLand企画の方に足を運ばせて頂いたのですけど、このイベントがまた日本のライブハウスシーンの新たなる可能性と息吹を感じるイベントだった。最早御大とも言える存在になりつつあるTCOは勿論だけど、主催のWonderLandを始めとする他の出演バンドもそれぞれの方向性こそ違えど、新たなるオルタナティブを模索して放つという意味では確かな繋がりがあるし、まさに2014年のオルタナティブの新たな可能性を信じたくなるイベントだったのだ。



・Glaschelim

 各方面でその名前は聞いていたし、一度はライブを観てみたかったGlaschelimであるけど、いざライブでその音に触れて感じたのは想像以上にヘビィロックであったという事だ。個人的にはもっとアンビエント色の強い音を出すと思っていたんだけど、その美しい世界観を貫きながらも、かなりヘビィな重低音が攻めるサウンド、ビートもギターリフも含めてもっと原始的で粗暴なヘビィロックを感じさせる音だったのは予想外だったし、アンビエントなカラーは少し後退させながらも、もっとバンドとしての生々しさを追求した音は個人的に好印象だったし、長尺の中で静謐さを切り裂き、一気に重低音の洪水で攻めるサウンドは観ていて凄くカタルシスを感じたりもした。この音をもっと触れ幅大きく確固たる物にしたら、本当に独自の境地に辿りつくと思うし、まだまだその音は模索中であり、進化の途中でもある様にも思えた。この日のヘブンズはどのバンドも爆音だったけど、この日一番の重低音を響かせていたし、彼等も自らの存在感をしっかりとアピールしていた。



・Oh my God, you've gone

 完全に初見だったOh my God, you've goneだけど。このバンドはもうモロで最高過ぎた!女性ベースストのオルタナティブロックといえば先ずはSonic Youthなんだけど、もうSonic Youth直系のサウンドをここまで堂々と自らの物にしているのには拍手喝采!ジャンクに歪みまくったギター、クールな感覚でありながらも、ヒリヒリとした熱量。変則的な音ばっかり奏でまくっていたけど、それを純粋なリフの格好良さだったり、ジャンクな感触を残しながらもヘビィさを感じさせるバンドのグルーブだったりという部分で小難しくしないで、どの音もロックとしての快楽を感じさせる物に仕上げていたし、それは純粋にバンドがライブと言う場で確かなまとまりを持たせながらも自由に音を奏でているからだと思う。90年代初頭の空気をモロに出したサウンドは目新しい物では無いけど、逆にここまで堂々と先人の音を受け継ぎ自らの物にしているというセンスは見事だし、ライブでそのバンドの力量を存分に発揮出来るのは本当に強い。正々堂々と王道を突き進むオルタナティブロックとして彼等はナイス過ぎる!!



・THE CREATOR OF

 最早御大とも言うべき存在であるTCOだけど、先日のライブから四人編成になり、今回は四人になってからの二度目のライブ。しかしこの日のTCOは最初から飛ばしまくっていた。のっけから「You Are」という必殺のポストグランジでキックオフ。ギターの本数こそ二本になってしまったけど、それを生かした新たなギターアレンジはアンビエントな浮遊感を生かしながらも、よりダイレクトにリフの凄みを与えるアプローチになっていたし、鈴木氏と古谷氏のツインギターのサウンドは見事なまでに嵌りまくっていたと思う。そこからの「Out For Three Days Straight」、「Settle」の二曲の流れは本当に濃密で、間違いなく現在のTCOの中でも特にベストなインスト曲で見せる貫禄。終盤は歌物の「Wind Up」から「Acoustic」の流れは矢張り圧巻ではあった。前回のライブに比べて格段に四人になってからの音は固まっていたし、メンバーが一人減ってしまったというピンチもTCOは新たなる発展の足がけにしていたし、昨年リリースした「LIGHT」の楽曲たちはまた新たな顔を見せていた。しかしそろそろ新曲を是非ともライブで聴きたいし、「LIGHT」以降の新たなる音を早く鳴らして欲しい限りだ。ベースも新たに募集しているみたいだし、まだまだ新たな変化しかこのバンドには待ち受けていないと思う。現時点でベストのセットだったからこそ、TCOの底力みたいな物を肌で実感するライブだったし、良い意味での落ち着かなさはまだまだ続くだろう。



・WonderLand

 完全に初見だった主催のWonderLandだけど、ここ最近出会ったバンドの中でダントツに凄いバンドだった。先ずは長尺のインスト曲を二曲プレイしていたけど、極限まで削ぎ落としたビート、ノイジーにサイケデリックな音を爆音で鳴らしたかと思えば、とんでもなくクリアな旋律をダークに放つ。音数自体はそこまで多くないにも関わらず、サイケデリックとドローンの衝突地点にある音を極限の爆音で鳴らし、その一音で世界を完全に塗り替えてしまっている。後半はボーカルの入った二曲をプレイしていたけど、そっちは完全に狂っていた。空間系エフェクターで輪郭を完全崩壊させて、ダークさのみを旋律の中に託した音と、狂気しか感じない叫びを繰り出し、狂気を極限まで突き詰めた音に完全に腰を抜かしてしまった。バンドのアンサンブルや音作りはとんでもない完成度を誇っていたし、若手バンドの中でもトップクラスだと実感したけど、ここまでダークさに振り切ったヘビィなサイケデリックロックは今本当にいないと思う。名前も知らないバンドだったけど、また本物のサイケデリックロックが存在していたし、ライブは完全にトラウマ物だった。終演後にメンバーさんに音源を売っているか聞いたら、まだ作ってないらしくて、これからレコーディングする予定らしいが、その音源も含めて今後が本当に楽しみなバンドだ!!いや凄いよ!!



 台風真っ只中であるにも関わらず多くのお客さんがいたし、本気でどんだけマニアックな奴らなんだよって思ってしまったりもしたけど、この日のヘブンズには間違いなく新しいオルタナティブロックが渦巻いていたし、特に主催のWonderLandのライブはド肝を抜かれた。悪天候の中で足を運んだだけあったし、こうしてまた新たな素晴らしいバンドに出会えたのは心から嬉しく思う。
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