■TRIKORONA × STUBBORN FATHER Split/TRIKORONA × STUBBORN FATHER

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 東京と大阪の狂気の暴力がスプリットをリリースしてしまった。パワーヴァイオレンスという枠組みでは全然収まらない異常過ぎる激音のみを鳴らす東京のTRIKORONA、その瞬間のカタルシスを複雑怪奇に台風の如く吹き乱していく大阪のSTUBBORN FATHER。その2バンドが惹かれ合いスプリットをリリースしてしまった。リリースはHELLO FROM THE GUTTERからで、今作は2014年の12月末のリリースであるけど、先日のweepray企画の時にSTUBBORN FATHERの物販で先行販売されていたので、そちらで入手させて頂いたのでフライングする形で今回紹介させて頂く。



 先行はTRIKORONA。TRIKORONAは5曲提供しているけど、アルバムで聴かせていた暴力すら超えた異次元パワーヴァイオレンスは更なる進化を遂げている。第1曲「妖怪の手」なんて最もなタイトルの楽曲からして異常さしか無い。空間的エフェクターによる揺らめきまくるギターフレーズから始まりながらも、一瞬でパワーヴァイオレンスらしい暴力的な音に変貌し、キメにキメを重ねて暴走しまくり、破綻する。第2曲「深い外」もそんな暴力性が更にヒートアップしているけど、サイケデリックでストーナーなギターフレーズが楽曲を支配し、同時に重圧が凄まじいベースとドラム、狂乱を吐き散らすボーカルが化学反応と拒絶反応を同時に起こしノイジーに脳髄を犯していく。ダークな激情要素も持ち込んだ第3曲「蒲団」も素晴らしく。こんな曲は単なるパワーヴァイオレンスバンドじゃ絶対に作れない曲だと思う。ブラストビートもガンガン使い、カオティックに変化を続けるサウンド、しかしそこに小難しさは微塵も無いし、微かなメロディアスさが生み出すダークさと空間的アプローチと、肉体的カオティックフレーズを使いこなすギター、憎悪を吐き出すボーカル。第4曲「意識の高い豚」のミドルテンポからの穢れきった暴動としての音、毒々しく引き摺る音から邪悪な結末からの高笑いに怯えるしか無いし、第5曲「片輪の馬車」まで休まる暇なんて全く無いし、圧倒的情報量をショートな楽曲に詰め込みまくり、それを全く整理しないで、負の初期衝動そのままに吐き出し叩きつけている。聴き手の意識を完全に破壊しながらも、宇宙かと思わせて、そことは全く違う場所へと道連れにしてしまっている。アルバムも凄かったけど、最新のTRIKORONAの新曲は、更に異常なテンションと狂気しか無い。
 後攻は大阪のSTUBBORN FATHER。今年は編集盤カセットをリリースしたけど、新曲として提供した3曲がもう激情・カオティックの最高峰としか言えない出来になっている。不穏な自動音声のSEから始まる第6曲「裏側」は本気でSTUBBORN FATHERというバンドが国内カオティック最高峰のバンドになってしまった事を証明する最強の一曲だと断言出来る。ギターは一本だし、実はギターフレーズ一つをそれぞれ切り取ったら至ってシンプルなフレーズで構成されていたりするんだけど、拍の理論とかキメの理論がおかしいのだ。ブラストビートも繰り出しながら暴走しまくるドラムも突如として変則的にキメを繰り出すし、残虐なる重低音を吐き出すベース、shige氏は日本語氏で衝動のままに叫びまくる。膨大なアイデアを詰め込みに詰め込みまくり、時にキャッチーなフレーズも繰り出しながら、歪んで荒れまくった音から、不意に入るクリーントーンのギターもうそうだし、ぶっちゃけ5曲分位の情報量を一曲に纏め上げ、そしてドラマティックさに走らず、最初から最後まで破滅的クライマックスのまま暴走していく。フックの強さで言ったら、もうkillie位しか対等に立てるバンドはいないんじゃないかってレベルだし、第7曲「降伏フィルム」ではロック的な初期衝動も感じさせながらも、持ち前の展開の多さとフックを最大限に生かし、キメのギターフレーズが一々最高に格好良かったりするし、国内激情・カオティック最高峰のバンドに上り詰めた事による獰猛なる雄たけびを繰り出している。最終曲「痣」では一転してダークな叙情性を感じさせ、ベースとポエトリーのみの這い回るパートから奈落へとダイブするクライマックスは圧巻。しかしながら「裏側」が本当に凄まじい出来で凄い。編集盤にも収録されているこれまでの楽曲郡も素晴らしい完成度だったけど、それを遥かに超えてしまっているし、バンドは本当に最高の状態だという事を実感するし、STUBBORN FATHERというバンドは完全に唯一無二のバンドになってしまったのだ。



 2014年と言う混迷の年に生れるばくして生れたスプリットだと思うし、TRIKORONAもSTUBBORN FATHERも現在こそバンドが最高の状態にある事を実感出来るスプリットだと思う。東京と大阪の化け物バンド2つの激突が生み出すエネルギーは想像を遥かに超えているし、この2バンドの行き先はもう誰にも分からないと思う。2014年の最後の最後に生れた激音の最果ては正に事件だし、カオティック・激情・パワーヴァイオレンスの最先端で最高峰のスプリットとなったのだ。



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