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■創造 vol.3(2014年12月6日)@法政大学市ヶ谷キャンパス

 今回は法政大学の企画集団であるJOYによる法政大学内でのライブイベントであり、法政大学市ヶ谷キャンパス内の多目的室にて行われたイベントである。しかも面子が大学内の企画サークルによる物とは思えない濃厚な面子なのだ。僕自身は内情を知ってる訳では無いけど、法政大学は前々から色々と熱いイベントとかあったし、今回出演するバンドも幾つかは法政OBの人が在籍していたりもするらしく、そこら辺の繋がりもあるんだろうけど、それでもこうした熱いイベントをフリーライブで出来てしまうのは色々凄い。ライブ会場となっていた多目的室も音響面は中々申し分無しで、ライブハウスと殆ど変わらない環境でライブを観れるのも嬉しかった。そんなイベントの一部始終を。



・urgh

 Play Dead Season、alt、cisum、color me blood redのメンバーによる新バンドurgh。読み方は「アー」らしくなんともふざけきっているが、このバンドが良かった。音楽性は変態ポストパンク×鹿コアって感じで、瞬発力と初期衝動重視のサウンドであるが、メンバーのそれぞれの経歴に裏付けされている演奏力も確かにあるし、変態的サウンドでありながら、猪突猛進に突っ走る前のめり感がグッド。曲も短くライブは多分15分もやっていなかったと思うけど、インパクトは十分過ぎる位にあったし、キャッチーで変態で鹿コア的前のめり感のある音は個人的にless than TVから出しているバンド達にも通じる物があって、猛者たちの悪ふざけ感が何とも感じ取れるライブだったと思う。



・hue

 個人的に同じ栃木出身という事もあって応援していたりするhueだけど、ライブはかなり久々に観る事に。しかしhueはどこまでもナードを研ぎ澄ましているバンドだなって改めて思った。マスロック的な手法を取り入れながらも、
繊細なメロディを丁寧に紡ぎ、アンサンブルこそ高い演奏力と音作りの良さで完成度こそ高いけど、どうしても滲み出るどうしようも無い童貞臭さ、それこそがエモだし、そのナードさがあってのhueだと思う。この日のライブもイントロのキメの応酬だけで白飯何杯もいけてしまう「ハロウ」は非常にグッと来る物があったし、他の楽曲もポストロック的繊細な音色の中に激情を持ち込み、ズブズブ泣きまくるサウンドは最高だ。特に石田氏の昔ストーカーしていたってMCからメンバー全員でのオフマイクでのシンガロングから胸が張り裂ける青の衝動をかき鳴らした「ちゃんとする」は本当に名曲だったし、この曲はhueなりのナードアンセムなんだろう。久々に観たけど、やっぱりナイスなライブをしていたし、これからも同郷バンドとして応援して行きたい。



・blue friend

 今年リリースした1stアルバムが素晴らしかったブルフレだけど、こちらもライブを観るのは久々。しかし確変みたいなアルバムをリリースしたから確信はしていたけど、ライブの方も完全に確変モードになっていたと言える。頭の「Midikai」の時点で炸裂しまくる疾走感は半端じゃ無かったし、ブルフレの音楽性はギミック無しで、もっと言うとベッタベタなあざとさ全開なんだけど、でもそんな王道を往くサウンドを説得力を感じさせるバンドとしてのパワーが今のブルフレは色々と凄いんだと思う。間にMCも普通に挟んでいたりこそしていたけど、それでもブルフレの楽曲を畳み掛けて行く感覚は全然無くならないし、勿論ただ疾走するだけのサウンドじゃ無いんだけど、そんな引きも押しも巧みに使い分けて、キラーチューンを連発していく様は最早天晴れである。終盤の「Dasai」と「Saisho」はやっぱりブルフレの中でも特に名曲であると思うし、やっている事自体はギミックなんて無いのに、切れ味抜群の音の連続は圧巻。スクリームの方も今日は切れまくっていたし、バンド自体のコンディションもかなり良かった。今年ブルフレは一気に名を上げたし、激情系新世代を代表するバンドになったと思うけど、このバンドはまだまだ行ける筈だ。



・asthenia

 ブルフレに並んで激情系新世代を担うバンドとして今年になって色々な場所でその名前を聞く機会が増えたastheniaだけど、音源聴いた事も無かったし、ライブを観るのも初めて。さてどんなバンドかと楽しみであったけど、ブルフレとはまた違う激情を彼等は鳴らしていた。なんというか90年代US激情の空気感と言うかダークさを持ちながら、日本人特有の叙情的音色を響かせるバンドだし、日本語詞で紡がれるポエトリーとクリーントーンのヒリヒリした緊張感から、暴発するサウンドへと雪崩込み、楽曲の中に確かな世界観を充満させる。楽器隊のコーラスワークも一々熱かったし、激だけで押し切るサウンドとは違う空気感を前面に出した中での激のサウンドはかなり好印象でもあった。色々と話題になっているだけのバンドであったし、個人的には目新しさは無かったりもするけど、でも先人たちのサウンドを受け継いで自らの物にしているバンドだったし、その受け継いだ空気感は見事にライブで表現されていたよ。



・FIRENDSHIP

 これまで出演したバンドと明らかに違うエグ過ぎるギターの音がサウンドチェックの時点で多目的室を支配し、もう良い意味で嫌な予感しかしなかったFIRENDSHIP。このバンドも今回完全に初見だったけど、完全にド肝を抜かれた。現楽器隊は腕中タトゥーだらけだし、メンバー全員の風貌が完全に強い(確信)、って感じだったけど、そんな風貌を裏切らない圧巻の激重ヴァイオレンスサウンドに殺されてしまった。ギターの人はオレンジヘッド2台にキャビ二台っていう見るからに重圧殺セッティングで「バカ!最高かよ!」って感じだったけど、そんなセッティング通りな極悪過ぎるギターリフには恐怖しか感じないし、何かのっけからボーカルの人はフロアに飛び出して叫びながら暴れまくっているし、もう狂気と暴力性しか無いライブアクトにただ唖然とするしかなかった。基本的にはダウンテンポで引き摺るリフとビートとグルーブによる地獄サウンドであるんだけど、そんなパートを活かしながら、ブラストビートとDビートを取り入れたご褒美ハードコアパートが滅茶苦茶格好良いし、激遅と激速の乱打による混沌はSu19bにも通じるんだけど、彼等はサイケデリックな狂気というよりも、もっと肉体に訴える暴力性がキモになっているし、とにかく破滅的でしか無いのだ。終わり無く繰り出されるダウンテンポ重圧殺と重戦車激走の乱打は凄さしか無いし、いやはや凄いバンドがいたもんだ。個人的にこの重さと殺人サウンドはzenocideに匹敵するレベルだと思ったし、今回のライブで出会えて本当に良かった!!



・Rebel One Excalibur

 トリは最早福島どころじゃなくて、全国で名を広げようとしている郡山代表のRebel One Excalibur。彼等もライブを観るのは少し久々になってしまったけど、本当にパフォーマンスも含めて有無を言わせないバンドになっている。一曲目の必殺の「BIG BUSINESS」の時点で更なる進化を感じさせてくれたし、アレンジを音源と変えて、鉄の匂いを充満させながら、より性急に走りまくる切迫感に満ちたサウンドに脳みそがおかしくなりそうだし、メンバーそれぞれのアクションが一々格好良すぎる!!特にベースボーカルの人がベースを弾かないパートでは謎のステップを踏んでいたり、体全体でアクションをしながらオーラを放ちまくっているのは堪らなく惚れるし、メンバーみんなイケメンなのに、更にこんな格好良い音を出していたら男の俺でも抱かれたくなるし、このバンドは今間違いなく抱かれたいポストハードコア最右翼だ。きっとこの場にいた法政女子は彼等のライブを観て間違いなく濡らしていたし、法政男子はカウパー出しながら勃起していたと思う。新曲もより鋭利なサウンドを手にしており、そちらも良さしか無かったけど、ラストの「まだ決めてない」は本当にエロスに満ち溢れ、変態ポストハードコアでありながら、ギンギンの音にアヘ顔しちゃうしか無いし、もう色々ずるい。アンコールの「待つ」の爆走ポストハードコアは完全に絶頂物だし、ギラつく鉄の振動でその場にいた人間を「よく分からないけど全員抱いたわ」って感じでイカせまくっていた。ああ、もうRebel One Excaliburってなんでこんなに格好良いのか。ライブ観ていて帰りにメンバーの誰かにホテル行こうとか言われたら一発でOK出しちゃうわってなったし、もう全国の老若男女を抱いてくれ!!本当に男でも抱かれたいと思うバンドなんだわ。



 大学でライブを観るというのは中々新鮮だったけど、環境とか場所とか関係無しに良いライブするバンドばっかりで本当に良いイベントだったと思う。京都のMOTHERが出演キャンセルになったのだけは残念だったけど、それでも6バンドの濃厚過ぎるライブを十分過ぎる位に堪能させて頂いた。個人的には自分が在籍していた大学には無かった濃密なイベントがあるってのは少し法政の学生に嫉妬してしまったけど、まあそんなの関係無しに良いイベントだし、これからもこういうイベントを続けて欲しい限り。
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