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■OSRUM "20141214"(2014年12月14日)@新代田FEVER

 2013年2月にZが解散して実に2年近く、とうとう魚頭圭が最前線に帰って来た。最果ての最果てを鳴らして消滅したZであるが、そのZのギタリストでありメインコンポーザーだった魚頭圭、同時に2012年に解散したAS MEIASのギタリストとして2つのバンドで奇才っぷりを発揮していたが、OSRUMという新たなバンドにて音楽活動に復帰、同じくAS MEIASだった羽田氏をベース、BALLOONSの藤本氏をドラムに迎えた新たな3人で新たな音を生み出し、そしていよいよ初音源をリリースする事になった。今回はそのOSRUMの初音源のレコ発ライブだ。対バンに先日活動再会を果たした名古屋のDOIMOI、Zのドラマーであった弘中氏が在籍するskillkills、そしてSWIPE、There Is A Light That Never Goes Out時代からZに至るまで長年魚頭氏とバンドを続けてきた根本兄弟の新バンドであるPOWERと正に魚頭氏の最前復帰に相応しい面子が集結、そうだよ誰しもが魚頭氏が新たな音を鳴らす事を望んでいたし、僕もそうだった。そしてこの日の夜は本当に忘れる事の出来ない夜となった。



・POWER

 一発目は長年魚頭氏とバンドを共にしてきた根本兄弟の新バンドであるPOWER。今回で二回目のライブらしいがそのバンドの全貌はまだまだ謎に包まれているし、奇才根本潤が新たに奏でる音は全く想像が出来なかったが、いざライブを目の当たりにするとそこには「Z以降」を目指し、更に解読不能で唯一無二な音が存在していた。驚いたのは根本兄が曲によってはサックスを吹いてピンボーカルだったりもするけど、基本としてはベースを弾き、ベースボーカル&サックス・ギター・ベース・ドラムのツインベースの変則編成であるという事だ。そしていざライブが始まるとトライヴァルでありながら、最早規則性すら分からなくなる根本弟のドラムと共にメンバーが根本兄特有の言語感覚完全崩壊な呪文めいた言葉を呟いている。終わり無くその呪文の様な言葉を紡ぎながらベースでありながらギターの様なラインの音を紡ぐ根本兄。その音は本当に不可解過ぎる。ギターの人はファンク要素のあるカッティングメインのフレーズ中心に弾いているし、ベースの人はグルーブ音楽に基づく重厚感溢れるベースを弾く、しかしファンクやジャズよそういった要素を完全に分解しまくった音は兎に角ドープ極まりない。この感覚はZの1stである「御壁」で描いていた物と近いんだろうけど、このPOWERは完全に根本潤氏が自らの為の新たな音を描くバンドだから全然違う。ハードコア要素は完全に削ぎ落とし、グルーブ中心で音を構築しながらも、全てがそれらの音楽の規格からズレていたし、なのに音自体はやたらノレたりもするし、ドープだけどドープさに振り切って無い。全5曲でライブは終了したが、POWERというバンドを理解するには短すぎるライブだったし、目の前で繰り広げられる濃密さを極めた新しいグルーブに陶酔しているだけだった。それとメンバーさんは全員スーツでライブしていました。



・DOIMOI

 実に一年数ヶ月振りの復活を果たしたDOIMOI。2012年にリリースされた「Materials Science」は個人的にかなり愛聴していたけど、ライブは今回初めて観る。この日はベースの方が仕事で東京に来れなくて、MIRRORの磯貝氏がサポートベーシストとして参加したライブだが、全8曲30分弱を見事にDOIMOI節でキメにキメまくっていた。このバンドは機材面であったり音作りの拘りがライブでも尋常じゃなく発揮されていたし、ライブで音に触れると兎に角ギターの音色がよりヘビィになっている。リフで刻みを重ねるスタイルはライブでより際立ち、変拍子だらけであるにも関わらずタメと跳ねを生かしたドラムの血肉がアンサンブルの中で生きまくっている。この日のセットはDOIMOIの中でも特に攻めまくった曲を中心にプレイしていたのもあったし、美メロ×ヘビィロック=DOIMOIだけのエモという方程式を完全に活かしながらも、ヘビィロックバンドとしての重厚さと、それでもポップな風通しの良さをライブで見せていたと思う。ギターの方のカタコト日本語混じりのインチキ外タレ来日ライブなMCでは笑いを起こしながら、MC以外はほぼノンストップで曲を繰り出していくセットも良かったし、磯貝氏のベースもDOIMOIの音を見事に再現しながら、MIRRORとはまた違うプレイを見せていたのも新鮮だったし、DOIMOIの音と完全に調和を果たしていた。「円郡」や「誓い」や「オリンピック」といったアンセムはやっぱり貫禄溢れる音だったし、名古屋バンドなのに見事な外タレっぷりだ。年明けにTwolow企画で再び東京にやって来るし、来年からのDOIMOIはまた止まらないだろう。



・skillkills

 Zの最後のドラマーであった弘中氏在籍のskillkills。先日キーボードのヒカルレンズ氏がバンドを離れ、3ピースで新たなスタートを切った彼等だが、3人になってもこのバンドが生み出す新たなるレベルミュージックはん何も変わらない。この日プレイしたセットは全曲年明けにリリースされる4thアルバムからの曲であり、ヒカル氏がいなくなった代わりにトラックはサンプリングでのセットに変わったけど、それが逆に弘中兄弟のグルーブをより強固にしていたと思う。これまで以上に余計な音を減らし、その多くない音数でソリッドなグルーブを生み出すスタイルをより研ぎ澄ました印象が大きかったし、ドラムの音の一つ一つが振動までより鮮明に聞こえるビートを叩き、ベースはとにかく一音が深い所まで抉り取る。マナブ氏はこの日何度も「FEVERしよう!」って言いながら、これまで以上の言葉選びのセンスと情報量を進化させたラップをキメていたし、フロアを上げるパフォーマンスもキレッキレ。skillkillsは人力ヒップホップから新たなるレベルミュージックを生み出す化物であるけど、そもそも最強にパーティバンドなのだ。グルーブを極めに極めた音は本当にノレるし、トラックがよりシンプルになってからこその余計な物なんて何一つ無い混じりっけ無しのビートとグルーブの化学反応はケミカルなヤバさと原始的なヤバさで構成されている。ライブは結構曲をやっていたにも関わらずあっと言う間に感じたし、最初から最後まで散弾銃の様に繰り出されるラップと鉄壁のグルーブによる快楽に身を任せるだけだった。異常な制作意欲やスパンもそうだし、常に止まらないバンドであり続けているからこそskillkillsは常にネクストな存在であり続けているのを改めて感じたライブだったし、4thアルバムはもう既に名盤確定だ。来年も僕たちをヤバ過ぎるスキルでキルしまくるんだろう。



・OSRUM

 そしていよいよOSRUMのライブ。下手に魚頭氏、上手に羽田氏、真ん中に藤本氏という実にシンプル極まりない3ピース編成でのバンドだけど、この日初めて触れたOSRUMは想像以上に真っ直ぐなバンドだった。最初にプレイした「2013」で本当に色々と感動を覚えてしまった。魚頭氏のギターが本当にシンプル極まりないフレーズを弾いているのだ。ZやAS MEIASで魅せていた奇才っぷりを発揮しまくるプレイでは無く、もっと普遍的なグランジや90年代エモの流れにあるコードとサウンドだし、ギターの音作りの完璧さはもう予想通りというか予想以上だったけど、魚頭氏がとにかくクリーントーンでじっくりと歌い上げているのだ。他の楽曲もそうだけどミドルテンポでじっくりとそれぞれが音を奏でて積み上げていくアンサンブルは非常に渋いし、魚頭氏がリードを弾くパートはブルージーな哀愁に満ちまくっている。羽田&藤本のリズム隊も決して派手な事はしていないし、羽田氏は曲によっては動くベースラインで主張するけど、それでも引きの部分はしっかりと引くし、3ピースというシンプルな編成だからこその誤魔化しの無さがOSRUMの魅力だと思う。インストの楽曲「調和」ではアンビエントな感触の音色を生かしまくった魚頭圭のギタリストとしてのフリークスっぷりも発揮されていたりもしたけど、基礎になっているのはミドルテンポで丁寧に紡がれるグッドメロディと歌だ。この日は音源の曲全曲に音源未収録の新曲と持ち曲全部をプレイし、アンコールは再び「2013」をプレイしていたりもしたけど、OSRUMは魚頭氏のキャリアで間違いなく一番普遍的なバンドであると同時に、本当に余計な物を完全に削ぎ落としたからこその、終わらない熱情を歌うバンドなんだと思う。エモとかオルタナティブとかいうカテゴライズすら超えてドッシリと構えて確かに心に響くその音に僕は凄く感動的になってしまったよ。OSRUMとは新たなる再生の物語であり、全然終わらない熱情でしか無いのだ。だからこそ最高だと断言したい。魚頭氏のキャリアの中で最も不変的で普遍的であるからこそ、OSRUMというバンドは強さしか無かった。



 本当に温かいレコ発だったと思う。元Zのメンバーが在籍しているバンドが2バンド出演していたのもあったけど、この日出演したバンド全部に言えるのは新たなるスタートを切ったという事と、その熱情は全然おわらないバンドだけだったという事だ。変わる物もあるし、変わらない物もある。でも長年戦い続けている人たちの熱情は絶対に変わる事なんて無いっていう事。それは絶対だし。だからこそ貫禄と説得力があるのだと思う。それぞれが最高のライブを見せてくれたし、ライブを観ていた僕自身、心がキュッとなってしまったりもした。本当に魚頭氏がOSRUMという新たなバンドでこれからも音を奏でる事が僕は嬉しいし、だからこそ根本兄弟の新たなるバンドであるPOWERもそうだし、この日出演していたバンドを僕はこれからも追いかけて行きたい。
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