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■URBAN PREDATOR×FIREBIRD presents 突然変異誘発物質 URBAN PREDATOR「DAWN」&NoLA「DEAD BEAT」 Release Tour!!!)2015年1月31日)@新松戸FIREBIRD

 昨年1stをリリースし、そこから怒涛のキチガイスケジュールでリリースツアーを行っている茨城県古河のURBAN PREDATOR。昨年10月にはレコ発自主企画としてブラストビートを用いたバンドのみを招聘した「茨城県古河高等学校ブラストバンド部不定期演奏会」を開催したが、今回のレコ発自主企画第2弾は新松戸FIREBIRDとの共同開催でベースレスバンドのみを集めた企画を開催した。単に良いバンドを集めるだけじゃなくて、こういったコンセプトを用いて企画を組むのは何ともユニークであるけど、ぶっちゃけベースがいるとかいないとか抜きにして共演バンドは当然猛者ばかり。グラインドだけでは無く、本当に多方面に渡るベースレスバンドが新松戸に集結した。



・Sledgehammer Crusher

 先ずは女性ボーカル、ベース、ドラムの3ピースであるSledgehammer Crusherから。基本的にブルータルなギターリフが楽曲を引率し、ブラストビートも用いるドラムのみで構成された音であるけど、ヘビィかつブルータルに押しまくるサウンドが全然単調にならないのは女性ボーカルの人の手腕が大きいだろう。グロウルをブチかますスタイルのボーカルは女性とは思えない気迫と殺傷力を持っているし、時にはクリーントーンである種のポップさすら感じさせるボーカルも聴かせてくるし、そんなパートでも楽器隊の音はナヨったりしないでヘビィな音で攻めてくる。音自体は現代的なスクリーモ的アプローチも取り入れていながら暴力性も同時に追求しているのは印象深かったし、いそうでいないって感じのバンドだったと思う。しかしベースレスでありながら、既にベースがいないって事に違和感を感じさせないライブだったのも良かった。それはこの日出演した全バンドに言える事だったのだ。



・カイモクジショウ

 きっとこの日出演したバンドに関しては「ベース入ったらもっと良くなるのに。」って感情を抱いた事もあるんだけど、でもカイモクジショウに関してはそれが全く無い。ベースっていうか、他の音が入り込む余地がこのバンドには既に無いのだから。正確無比で変幻自在のボーカル、ギター、ドラムの黄金トライアングルはこの日のライブでも健在。西田嬢はボーカルは勿論だけど、パフォーマンスでも魅せる魅せる。ステージを降りれば普通の女の子なルックスなのに、ステージ上では何かに取り憑かれた様に歌い叫ぶ。ゴリゴリのヘビィロックから歌物まで自在に表現する表現力も素晴らしいし、昨年リリースした1stフルアルバムの曲から、過去にリリースしたEPの曲までこの日はプレイしていたけど、このバンドは全くブレ無いし、隙が見当たらない。ベースレスである編成が完全に必然だと思えてしまうライブをこのバンドはしているけど、ベースレスである事が必然では無くて、この3人で音を奏でる事が必然であって、そこにたまたまベースがいなかったってだけの話でしか無いのだ。往年のヘビィロックから古き良き時代の歌姫達の亡霊を呼び集めて、ライブでそれらの怨念の宴を体現する。カイモクジショウは異常ではあるのかもしれないけど、同時にどこまでも真っ当にヘビィロックでしか無い。個人的にはもっともっと曲を聴きたかったし25分じゃカイモクは全然物足りない!!この黄金トライアングルはもっと大きな場所に立つべきだと本当に思う。



・浅ハカニ吠エル

 カイモク同様に女性ボーカル、ギター、ドラムの3ピースである浅ハカニ吠エルは今回初見のバンドだったのだけど、実際にライブを観た感想としては率直に言ってしまうと訳が分からなかった。いや音楽性自体は難解なバンドでは無いと思う。ドイツのエモヴァイオレンス系の激情系ハードコアサウンドで爆発をしながらも、静謐なパートも存分に取り入れているし、割と激情系的な意味では王道な音でもあると思う。少年の様な声でポエトリーをする女性ボーカルが先ず特徴的だけど、この手のサウンドにポエトリーが乗るのも全然普通だし、このバンドはたまたまベースがいないだけで、普通にベース入ったらもっと良くなる類の音でもあるとは思う。そうなんだけど、他のバンドとは何か違う。曲間にSEを使っているとか、そういった演劇的アプローチを取り入れているのもあるのかもしれないけど、ライブという場で明確なストーリーを表現するっていう意味ではバンドでありながら、バンドとはまた違う場所にいるバンドなのかもしれないし、そういった要素をかなり大切にしているバンドだと思った。時に激情の叫びを繰り出しながらも、ポエトリー基調で進んでいくライブ、そして気がついたら得体の知れないダークな世界に引き込まれているし、その世界に引き込まれて、サウンドがこの日一番のヴァイオレンスな爆発を魅せてあっさりとライブは終わってしまい。何だかぽっかりと取り残された気持ちだった。しかしこの異様さはずっと心に残っている。



・ZENANDS GOTS

 昨年リリースした初の正式音源が本当に素晴らしかったけど、ライブを観るのは実に一年半振りとかになってしまったゼナンズ。個人的に久々にライブを観るのが楽しみで仕方なかったけど、たった15分で、たった二人で生み出す地獄の熱と濃度は前に観た時の比じゃ無かった。序盤はゼナンズお馴染みのカオティック&グラインド&ショートカットな楽曲をノンストップで繰り出しまくる。ブラストしまくるドラムと、ひたすらに重轟音をかき鳴らすギター、そんな音の壁を突き破る様に千葉氏の叫びが聞こえてくる。正にここが地獄だと言わんばかりの音の連続だったけど、驚くべきは中盤から終盤のミドルテンポで美しさを魅せる楽曲たちだ。アルペジオも存分に使い、混沌だけでなく地獄の先にある美しくも荒涼とした風景を想起させる楽曲をプレイしていた事も驚いた。これまでのファスト&ショートに災害を巻き起こすゼナンズでは無かったし、バンドとしての懐が本当に大きくなっているのも実感した。ライブ自体は全然長くなかったし、曲も決して多くプレイしていた訳じゃないけど、頭痛を引き起こしそうな轟音の中に微かな救いすら感じさせるライブをするバンドになったってのが驚きだったし、しかし暴虐さはこれまで以上でもあった。昨年の音源リリースを経て、ゼナンズは新たな地平に今立っているのだろう。



・NoLA

 実はこの日唯一のツインギターバンドであるNoLA。今年頭にリリースされた2ndミニアルバムである「DEAD BEAT」を引っさげてのライブだったけど、もうどんどん観る度に単純にNoLAは強くなっていく。メタルだとかハードコアだとか、そんなカテゴライズはNoLAには要らないし、極限までヘビィロックを追求する若武者は常に無敵でしかない。この日はTakaruはステージに降りて暴れるパフォーマンスは控えめではあったけど、今のNoLAってそういったパフォーマンスをしなくても全然問題無いバンドになっているし、初期衝動はそのままに円熟しながら、よりシンプルな衝動を放っているんだとすら思う。前半の新作の楽曲も、後半のこれまでの楽曲も相変わらずリフとビートと叫びが休まる暇なんて与えずに襲い掛かってくるし、誤解を招く言い方になってしまうのかもしれないけど、今のNoLAのライブは観ていて本当に楽しいのだ!!暴力的サウンドである事は全く変わらないし、そこは全然ブレていないけど、今のNoLAは破滅的では無く、ヘビィさから来る恐怖すら一つのエンターテイメントへと昇華してしまっているし、ステイアンダーグラウンドするのでは無く、自らの核はブレないままでもっと大きなバンドになろうとしている。「DEAD BEAT」リリース後という事もあって気迫は十分伝わったし、正にNoLAは新たな夜明けを今迎えようとしているのだ。



・SELF DECONSTRUCTION

 ここからはグラインド地獄!!久々に観るセルコンは前以上に怒涛という言葉が似合うバンドになっていたと思う。男女ツインボーカルで捲し立て、ボーカル二人がガンガン前に出まくるスタイルのライブは前以上にキレキッレだし、もうやっている事の細かい事なんて理解する必要も無いだろうし、速さが生み出す混沌がセルコンの全てだと思ってしまっても良いのかもしれない。勿論ただ速さを追求しているだけじゃない音なのは分かるし、楽曲は超ショートでありながらもしっかりと作り込まれているのも分かる。でも結局はツインボーカルとギターとドラムの圧倒的情報量と速さに全てが帰結しているし、たった10分弱を駆け巡る音が炸裂する瞬間だけが全てでしか無いのだ。



・ZAGIO EVHA DILEGJ

 そして長野のザギオのライブへ。こちらもライブは15分やったかやらないかだし、そこら辺はまあグラインドコアならではなんだけど、ザギオはただ速いだけじゃなくて、兎に角ブルータルできったない!カッチリしたグラインドとは全然違って、整理なんか全くされちゃいない激速ブルータルサウンドは何度観ても脱帽だ。汚物を撒き散らす様なボーカルとギターとドラムはやっぱり情報量が凄いんだけど、ザギオには小難しさなんて全く無いと僕は思う。ゲボ塗れになってダンスをする様なある種の背徳的で原始的な速さの快楽がグラインドコアだと思うし、ザギオは清く正しくグラインドコアでしか無いのだ。余計な物なんて何も必要としていないし、だからこそただ汚らしいままに速さと極悪さだけを求めるグラインドギャング。悪党感ありまくりなリフに撃ち殺されて、異物だらけのボーカルに犯されて、爆音のブラストに抱かれてしまうだけで良い。だから格好良いバンドなんだ!!



・URBAN PREDATOR

 トリは企画のURBAN。今回のベースレスイベントを締めくくるに相応しい8弦ギターと変則ブラストと嘔吐ボーカルによる毒物吐き捨て3ピース。昨年リリースした初の正式流通音源である「DAWN」は多くの人々に衝撃を与えたと思うけど、リリースからのキチガイスケジュールのリリースツアーを経てこのバンドは更なる進化を遂げた。一曲目はタイトルトラックにもなっている「DAWN」だけど、本当にライブは音源以上に荒々しく攻めている。馬立氏も変幻自在にリフを操りながらも、3台のアンプから放出されるのは常にヘビィな音だけだし、所狭しと暴れながらリフを刻みまくる。KAN-ICHILOW氏は気でも狂ったんじゃないかっている正確無比なブラストを決めまくっているんだけど、その音は決して機械的じゃないし、前のめりに突っ走りまくっているから混沌に満ちた楽曲がより混沌に溢れる。何よりもボーカルのSOUL氏のボーカルとパフォーマンスはURBANには絶対不可欠な物だと個人的に思うし、この人のボーカルスタイルは他にいない。捲し立てるポエトリーも、ハイトーンの叫びもそうだし、そのパフォーマンスもうそうだし、新たなハードコアヒーローの風格すらSOUL氏からは感じる。この日は本編は全曲「DAWN」の楽曲で固め、ラストの「Everything's Gonna Be Alright」まで速さも遅さも重さも異物感も未整理のままで変態的に繰り出しまくっていたけど、アンコールの「Namaewanainamaeganai」の自爆テロみたいな衝動の刺し違えはやっぱりURBANの原点になっているんだと思うし、この3人にしか生み出せない物をURBANは狂気の中で追求しているし、それは「止まらない止まらない誰か止めて」と連呼しても全然止まらないし、そもそも本人達が止める気も無いじゃんって話だ。蠢くのは狂気か?理性か?蹲りながら自らも赤の他人も傷つけまくる個人的感情の暴発。これは激情と言う言葉では片付けてはいけないだろう。URBANはどこまでもピュアにエクストリームであり続けているだけなんだから。



 ベースレスという編成自体今となっては最早珍しくも無いし(そもそもグラインドはベースレス多いし)、本来だったらベースがいないってのは大きなハンデになるのかもしれない。でもこの日出演したバンド全部に言えるけど、ベースレスである事は何の問題でも無いんだ。NoLAみたいにベースを探しているバンドもいるし、URBANは初期はベースがいたし、カイモクみたいにベースが入る余地がもう無いバンドもいるし、ベースレスである背景はそのバンドそれぞれにあるだろうけど、でもこの日出演したバンドのライブはもうベースいるとかいないとか関係無かったし、ただ純粋に素晴らしいバンドが素晴らしいライブをしていたイベントだったという事が全てだと思う。でもこんなユニークな企画は他には無いだろうし、URBANにはまたこうした企画を打って欲しいと思いながら、他にもこうしたコンセプトを持つ面白いイベントが増えたら良いなって気持ちになった限りだ。
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