■Redsheer Presents ” GRAY WORLD ” Vol.1(2015年4月11日)@立川BABEL

 7月に1stアルバムのリリースも決定しているRedsheer、初ライブから一年が経ちいよいよ自身初の企画となったにだけど、その初企画となった今回は正に地獄の祭典と呼ぶに相応しい物となった。全10バンド、エクストリームメタル方面の猛者ばかりを集め、人々を完膚無きまでにブチ殺し、しかしそんな地獄の中で生まれるのはもしかしたら沢山の笑顔なのかもしれない。そんな新しいパーティに足を運ばない訳が無いし、今回足を運ばせて頂いた。



・Coffins

 内野さんはMCで「早い時間もやりますよー。」って言っていたけど、オンタイムでスタートしてハナから世界レベルでお馴染みのCoffinsである。ブッチャーとUGとのスプリットもリリースされ、来月には新作EPのリリースと飛ばしに飛ばしまくっているけど、やはりCoffinsというバンドは本当に凄いバンドだって改めて思った。この日のセットはかなり渋めのセットで、Coffinsの中でも渋くてドゥーム色の強い楽曲を中心にプレイ。しかしどんなセットで攻めてもCoffinsは常に長年積み重ねたキャリアと世界で活躍するライブパフォーマンスで絶大なる安定感を誇る。時田さんのボーカルは一年前と打って変わって今となってはCoffinsに絶対不可欠な存在であるし、是枝氏の宇宙的でありヴァイオレンスなベースのグルーブとサトシさんの乾いていてタイトなドラムと、内野さんのロック的であり、ドゥームとデスメタルの深みを更に抉り取るギターリフの数々が生み出すヘビィロックとしての貫禄と重さ。新曲もCoffinsが持つドゥームとしての重みを充満させまくったエグさ全開の楽曲だったし、最後の最後は彼等のアンセムである「Evil Infection」で空気を一転させてヘビィロックの天国へと突き落とすしてしっかりと締めてくれる頼もしさ!!何度ライブを観ても常に新鮮な格好良さがあるし、だからこそCoffinsは世界レベルのバンドで有り続けているのだ。



・NECROPHILE

 国産デスメタルの始祖であり、再始動からの活動もマイペースでありながらも、観る物を地獄に突き落としているNECROPHILE。ライブは一年振り位に観たけど、セッティングの時点で出音が前よりもエグくなってて思わず笑いそうになったけど、しかしライブも前以上にエグくなっていた。ANATOMIAではドラムの田中さんだけど、こちらではギターを弾き、エグい音で凄まじい高速の刻みのリフで観る物をバラバラにして殺して死姦するという鬼畜具合。デスメタルのカルト性を大切にしながらも、それぞれの音が先ずエグいし、サクサクと曲をプレイしていくスタイルながらも、一曲一曲の濃度は濃いし、速さというエクストリームさも凄いけど、バンドの演奏と楽曲が持つおぞましさも凄い。初めてライブでプレイした楽曲もあり、このバンドの再結成は僕の様な国産デスメタルの黎明期を知らない人間にとって嬉しくもあるけど、同時に再結成後もバンドは余裕で現在進行形。単なる懐古的な再結成じゃなっくて、このバンドはレジェンドになる事を否定し現在も進化していると改めて思った。



・CLANDESTINED

 今回初見な名古屋のオールドスクールデスメタルバンドCLANDESTINED。全然予備知識が無い状態でライブを観る事になったのだけど、女性のベーシストを含めたメンバーの出で立ちからしてもう何かモロって感じで妙に安心感を覚えてしまったりもしたけど、そんな出で立ちを裏切らない王道を往くオールドスクールデスメタル。演奏は勿論普通に上手いんだけど、タイトさよりも荒々しさを選んだサウンドワークは非常に好印象だし、特に金髪モヒカンのドラムの方が滅茶苦茶僕好みのドラムで、パンキッシュな荒々しさと暴走具合をガッツリデスメタルに持ち込んだドラムで、個人的に大好きな音。う矢継ぎ早に暴走サウンドを繰り出すライブスタイルもまた良かったし、全然予備知識無いバンドではあったけど、滅茶苦茶楽しませて頂きました。



・TERROR SQUAD

 シーンの重鎮中の重鎮でありながら、未だに最前線でバリバリ活動しまくるレジェンドとなる事を全否定するTERROR SQUAD。ライブ自体は本当に観るのが久々だったけど、本当にこのバンドに代わるバンドって他にいないって思うよ。スラッシュメタルでありながら、非常にメロく、カオティックで、ハードコア的でもあって、エモーショナルであり、唯一無二のサウンドを作り上げてしまっている事は僕が今更言う事じゃ無いけど、先ほどまでのデスメタルな流れを完全にぶった斬り、TERRORの独壇場に変えてしまうのは流石だ。何よりも宇田川さんは本当に全身全霊で格好良いカリスマだし、マイクスタンドを高々と掲げる姿も、ステージとフロアの垣根なんておかまいなしにフロアに飛び出して、客に絡みながら叫び狂う姿は。スラッシュメタルのバンドであるにも関わらず、ハードコアヒーローでもあると思ったし、TERRORの前ではそんなカテゴライズなんて全然不要だし、TERRORはTERRORでしか無いのだ。全力で暴れまくる宇田川さんは本当にヒーローだったし、重鎮のポジションに満足せずに常に全力で最高のライブを繰り出してくれる。だからこそTERRORは別格のバンドだ。



・DEADLY SPAWN

 今回初見だったDEADLYだけど。個人的にはあまり馴染みが無かったりするスラミングデスメタルといった方向性の音楽だけど、現代的なデスメタルサウンドだけじゃなくて、オールドスクールデスなテイストやスラッシュメタルのテイストも感じさせる楽曲のセンスの良さを先ず実感した。同時にSEを使ったりして楽曲やパフォーマンスの中で確かな世界観を感じさせるバンドだって印象も受けた。演奏は非常にタイトで安定感抜群の物で、息の合ったツインギターの絡みは特に眉唾物。メタラーじゃない僕ではあるけど、サウンドの気持ちよさと、それと同時にダークでおぞましい世界観が同居しバンドの持つ世界に引き込まれてしまったよ。ここまで十分こってりしまくったバンドばかりにも関わらず、その濃度を更に引き上げる地獄の怨霊達のデスメタルの圧倒されてしまうだけだった。



・SECOND RESURRECTION

 郡山の残虐王として名高いSECOND RESURRECTIONは一度ライブを観てみたいバンドであったけど、そのライブが想像以上の物だった!!ギターの歪み方がもうとにかくブルータルの一言で、デスグラインドの美味しい所をガッツリと突きまくる、3ピースの普遍的でシンプルな編成でありつつも、だからこそ各楽器の音の暴走具合と汚らしさと五月蝿さは際立ち、押し潰しながらも突き刺す重さと鋭利さを兼ね備えたサウンド、何よりもガテラルとハイトーンシャウトのツインボーカルは熱い!!しかもこんな残虐過ぎる音を鳴らしているにも関わらず、MCは滅茶苦茶腰が低くて真摯でっているデスメタラー良い人説まんまな感じだったのもまた好印象。曲も矢継ぎ早にガンガン放っていくスタイルでありながら、小気味が良くて飽きが来ない。音の粒が潰れまくった歪んだサウンドは実は純粋にゲス野郎達の快楽のど真ん中でしか無いし、実際に単純に凄く格好良いバンドだった。今回ライブを観れて良かったし、福島ってジャンル問わずに本当に凄いバンドばかだ。



・Butcher ABC

 CoffinsやUnholy Graveとのスプリットをリリースし、バンドが新たなモードに入っているであろう東京の肉屋デスグラインドのブッチャー。いつも通りどこかリラックスした感じではあったし、ライブ自体は安心と信頼の肉屋クオリティではあったけど、しかしメンバーさんのリラックスして肩の力を良い意味で抜いた雰囲気とは違って、ライブは相変わらず極悪。時にブラスターしまくったサウンドを繰り出しながらも、デスメタル成分をプンプンに匂い立たせて、邪悪なリフで攻め立てまくる。長年のキャリアもあるし、常に安定した格好良さを持っているブッチャーだけど、同時にパーティバンドであると思うし、デスグラインドというジャンルであり、純度と強度は非常に凄まじい音を放っているけど、同時に非常にキャッチーさを持っているバンドであるし、それこそ地獄の魑魅魍魎達のダンスパーティなのだ。モッシュやシンガロングも発生するし、デスボイスとハイトーンシャウトのツインボーカルは相変わらず最高だ。今年はいよいよアルバム制作にも入るらしいし、日本のデスメタル・グラインドの重鎮はまだまだとんでもない事をしてくれそうだ。それはそうと関根氏が「イギリスから来たBOLT THROWERです。」なんてMCをしていたけど、これはフラグと見て良いんでしょうか?期待しちゃって良いんでしょうか?



・NEPENTHES

 ここまで爆音バンドばかりであったにも関わらず、更に爆音過ぎて笑ってしまったけど、ストーナーだとかドゥームだとかを超えてロックのロマンを爆音でブギーするNEPENTHESの登場だ!!メンバーチェンジがあり新編成でのライブを観るのは今回が初だけど、いやいや本当に容赦なくブチ犯しに来るよ。根岸さんはサングラスをかけて、最初から素肌にシャツというキメキメな出で立ちで登場し、早速叫びまくる。しかしこの日はどのバンドも爆音バンドばかりだったにも関わらず、ネペはそれすらも凌駕するレベルの音量だったと思うし、新編成になってより凶悪な音になったと思う。でもただエクストリームなだけじゃ無いのがネペであり、爆走リフによるロックンロール天国を繰り広げているからこそ最高に格好良いし、ネペの前じゃ爆音に身を任せて酒を飲めば良いのだ。しかし最後の最後の長尺サイケデリックナンバーではロックの深淵を体現し、爆音の揺らぎが時空を歪ませ、今いる場所が天国なのか地獄なのか分からなくなってしまいそうな酩酊体験。あっという間でもあったし、体感時間は凄く長かった様にも思ったり、しかしただロックなだけじゃない、ただサイケデリックなだけじゃない、ただドゥームなだけじゃない。得体の知れない膨大なエネルギーの爆発の凄み、だからこそNEPENTHESは凄いバンドだ。



・Redsheer

 間違いなく過去最強のライブだったと思う。去年のブッシュバッシュでの出会いから行けるライブは行くレベルでRedsheerは大好きなんだけど、今年になって初めて観たRedsheerはもうバンドとしてのj強度が一つの完成形となっていたと思う。まずベースとギターの音の感触のヘビィさが異様なまでに増幅。山口さんのギターの音がクリーントーンのパートでも異様な歪みをより感じさせる音になっていて最早恐怖すら覚えるレベルだった。「Curse From Sad Spirit」、「Yoru No Sotogawa」、「In The Coma」、「Blindness」、「Silence Will Burn」、7月リリースの1stにも収録されるであろうこの5曲を今回はプレイしていたけど、音の禍々しさが尋常じゃ無いレベルで増幅していたし、同時にバベルの音響もあって、音が絶妙に広がりながらも、各パートの音が明確になっていたし、だからこそ各パートのフレーズの一つ一つの狂気がより浮き彫りになったと思う。Redsheerの楽曲のメインコンポーザーである山口さんのアルペジオ地獄から刻み地獄まで横断し、ダークなエモーションと混沌で身も心もズタズタに切り裂いてしまうギターワークは少し観ない間に更にパワーアップしていたと思うし、raoさんのドラムはやっぱり独自のタイム感と強度を持ち、硬質な躍動を体現している。小野里さんのベースのうねりと叫びも刺々しさと禍々しさと精神と肉体の両方に訴え、お前の裏側を暴く様なサウンドだ。しかしラストの「Silence Will Burn」は個人的に僕が一番大好きな曲というのもあるけど、吐き捨てる叫びと、切り捨てるギター、そして静寂から邪炎で焼き尽くし跡形も無く粉砕。地獄のパーティの空気を一変させ、精神の地獄へと変貌させてしまったし、もうなんというかRedsheerってバンドは本当にとんでもないバンドでしか無いんだよ。いやマジで。



・ANATOMIA

 そして主催であるRedsheerじゃなくてANATOMIAがまさかの今回のトリであるけど、今回のANATOMIAのライブを観て、彼等がトリになった事によって地獄の祭典は本当に地獄の祭典すら破壊する病み捲ったエンディングを迎えてしまった。これまで出演したバンドはサウンドはエグいし余裕で地獄なんだけど、爆風で火を消すみたいな感じで、エクストリームなサウンドで地獄すらパーティに変える事が出来てしまうっていう痛快さとカタルシスを生み出すバンドばかりだったし、その流れを破壊し、Redsheerが過去最強のライブを展開して、ダークな混沌のエモーションで一気に張り裂けそうな感覚に襲われ、そして最後の最後でANATOMIAが真の地獄を生み出してしまった。ラストにご褒美な感じで速い楽曲をやってはいたけど、それ以外はBPMもかなり遅く重く、鼓膜を破壊するギターリフの混沌、赤のみの照明で照らされたステージにて繰り広げられているのは、カルトさを極めに極めまくった病巣その物で、変な言い方だけどライブを観ていて本当に音で心が病みそうになったし、呆然とステージを眺めながら、理不尽に展開されるデスドゥームの奥の底の底の奈落を黙って受け入れるしか無かった。今回のイベントは地獄の祭典だけど凄くハッピーじゃんって思っていたけど、最後の最後の本物の地獄によってそんな感情も犯されてしまった。いやANATOMIAってやっぱり凄いバンドだよ。



 今回の企画がアナウンスされた時に小野里氏は「難聴上等・トラウマ派生・帰宅困難者続出…病み捲りながらも、参加して頂きました方々全て・多幸感2000%な活力満載な大成功を目指して動き尽くします。」と言っていたけど、正にそんなイベントだったと思う(実際に帰宅困難者がいたかは分からないけど)。地獄その物な音ばかり出すバンドばかりだし、イベントも昼からの長丁場であったけど、各バンドの転換がサクサク進んだから疲れやストレスが良い意味で溜まらずに各バンドを良いコンディションで観れたのも良かったし、この日も各地で熱いイベントが多かったけど、それでも都心からしたら決して近くは無い立川という場所に本当に多くのフリークスが集結し(バベルという広いハコだったから人が多くても窮屈さが無かったのもまた良かった)、動員の面でも大成功なイベントだったんじゃないか。でもそれ以上に最後のANATOMIAで完全に地獄に叩き落とされてしまったけれでも、それでも来ている人たちは本当に楽しそうな人しかいなかったし、変な言い方かもしれねえけど、エクストリームミュージックは人を笑顔に出来るという一見すると矛盾しているかもしれない事は全然出来るって事だし、今回のRedsheer企画は国内エクストリームミュージックのシーンで起きた事件として多くの人々の間で語り継がれる筈だ。
 しかしこれで終わりじゃない。7月には1stアルバムのリリースパーティとなる自主企画を東高円寺二万電圧で、9月には今回同様にRedsheer含めた10バンドによる更なる暗黒の宴が新代田FEVERで開催される事がアナウンスされているし、出演バンド等の情報も近い内に解禁されると思うけど、今回で終わりじゃなくて、今回こそが始まりなのだ。まだまだ多くのうっせえ音が大好きなフリークスが失禁必至であろう宴が待っているし、ジャンルを超えてうっっさくて格好良い音が新たな流れを作っていくだろう。まだまだお楽しみはこれからなのだ。だが改めて今回のRedsheer初企画は本当に最高の夜でしか無かったのだ!!
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