■いいにおいのする the body Japan Tour 2015 東京編 2(2015年6月23日)@新大久保Earthdom

 毎回絶妙な外タレを招聘しているいいにおい企画だけど、今回のいいにおいはポートランドのスラッジデュオであるThe Bodyを招聘。昨年もThe Bodyは来日したが、オールナイトイベント&平日で目撃する事が出来なかった人も多かっただろうし、今回の再来日を心から喜んだ人は多いだろう。東京公演は2daysで一日目のo-nestでの公演はThe BodyとVampilliaとその2バンドのコラボセットという内容だったが、個人的にSETE STAR SEPTとENDONとkillieという3バンドが参戦する二日目の公演が激熱で二日目の方に足を運びました。スタート15分前にアースダムに到着したけど、客は疎ら。大丈夫かと思ったが、ハナのSETE STAR SEPTが終わった頃には人もかなり増え、最終的には平日で東京2daysでありながらアースダムは八割は埋まるという盛況っぷり。やっぱりみんなThe Bodyを楽しみにしていたんだ。そして蓋を開けたら5つの強大なる悪魔が降臨した夜だった。



・Vampillia blackest ever blackmetal

 一応オープニングアクトのVampillia blackest ever blackmetalなんだけど、セッティングはハナのSETE STAR SEPTだし、内容はと言うと、Vampilliaのmicciが黒いローブを纏って、でも黒のタイツを履いてコープスペイントして登場し、ストロボライトが壊れて出来ないって旨と、明るい場所でやると滑稽だって事を言って、当て振りでちょっとだけやるからどんな感じか伝わればって言って、ちょっとだけトレモロリフを口と動きで当て振りして終わりって内容。拍手も当然全然起きない。そんな感じでしたとしかお伝えできません。というかこれただの前説じゃねえか!!



・SETE STAR SEPT

 そんな茶番からハナのSETE STAR SEPTからスタート。しかしライブ前からベースから耳を破壊するノイズが出ているし、もう嫌な予感しかしなかったけど、やっぱりライブは超絶爆音のノイズグラインド、音階壊れまくりのベースが放つえげつないノイズと叫びが超圧縮で繰り出される不条理な地獄。しかし今回ライブ観るの二回目だったけど、キヤスさんのドラムは本当に変幻自在だなって改めて思った。爆音のノイジーなサウンドに負けず劣らず打音と音量の強いドラムを叩きながら、ドラムパターンを瞬く間に変えまくり、ブラストだけじゃ無く、それ以外のドラムフレーズでも速さと混沌を生み出しているし、独創的でありながらも、より混沌へと走り出すのだ。ラストはカエさんはやっぱりベース弾くの放棄して叫びまくり、そしてカエさんが捌けてからキヤスさんのドラムだけの混沌から最後は片桐えりりかパイセンの素股ギターよろしく素股ベースを披露し、ノイズの残響の中、地獄の20分が終わった。



・Vampillia

 主催のVampilliaは一年振りに観る運びになったけど、なんか前と色々変わってないか?銀髪男の娘ギタリストのVelladonはまピュレーター担当になっていてギター弾いてないし、後ロン毛のギターの人って前からいた人だっけ?人数多いし、ライブによって編成も地味に違うからそこら辺は観てても混乱するなあ。因みに今回は吉田達也氏はお休みで、ドラムは竜巻太郎氏のみ。しかしブルータルゲスオーケストラはやっぱりライブで本領を発揮するサウンドなんだなあって思った。音源も良いんだけど、個人的に小奇麗に纏め過ぎて無いかって思ったりもするんだけど、ライブだと情報量の多さもそうだけど、静謐で聴かせるオーケストラなパートはその空気感や余韻がより高次元だし、でもそんなオーケストラサウンドからヘビィなサウンドが放たれるパートは音源よりもずっと音も重いし、ダイナミックだし、ストリングスですら叫んでいる音を鳴らしている。45分というロングセットだったが、曲をほぼノンストップで組曲の様に展開していくVampilliaのスタイルはより磨きがかかっていたし、竜巻太郎氏のドラムのキレッキレっぷりもやっぱり凄い。このバンドはやっぱりライブでこそ真価を発揮する音だと改めて思ったよ。
 はい、音楽的な真面目な部分のレポはこれで終わり。これで終わらないのがVampilliaです。今回のライブでのボーカルのmongoloidの悪行の数々、もう箇条書きで良いですか?というか情報量が色々なベクトルで多すぎて頭整理つきません!!

・客に前来いってジェスチャーからのクラウドサーフ。
・最初は変な柄のツナギ着てて、それ脱いだら変な柄のハーパンにTシャツ。Tシャツには何故か「GOLF」って書かれている。
・客にマイク持たせて自分はフロアに。
・曲に合わせて壊れたポンコツのおもちゃみたいな動きする。
・フロアで客に混ざって腕振りの煽り、そしてみんなでそれをやり始める。
・客からドリンク貰って飲むのかと思ったらその場で吐く。
・仕舞いには「ええ加減にせえよ!」と。お前がええ加減にしろ!!
・やっぱり出てきた梯子、そして梯子を支える訓練された客。梯子から頭から滑って綺麗に折りたたむ。


以上レポっす。



・ENDON

 Vampilliaでお腹一杯になってしまったけど、いやいやまだまだこれから。ここ最近の洗練されたライブがアースダムの殺人音響で果たしてどうなるか楽しみだったけど、見事な化学反応を起こしていた。相変わらず凄まじい殺気を放ってはいあたけど、各パートの音のバランスも良いし、放たれる音の輪郭が掴み取れる今のENDONのライブの完成度はやっぱ凄いし、その中でよりハードコアへと振り切ってもいるし、より暗黒で病みそうになるサウンドにもなっており、アレンジも更に練り込まれた印象を受けたし、このバンドもライブを観る毎に変化を続けながらもより良くなっていくバンドだ。でもアースダムのサグくてダーティな音響だとそんなサウンドの破壊力はより増幅されるし、明確になったからこそのカオスっていう物がより体現されたライブだったと思う。ENDONも初めてライブを観た時とは良い意味で全然違うバンドになったと思うし、より間口の広いアプローチを展開し、ノイズ好きやハードコア好き意外にも全然有効な音を生み出しているけど、やはりENDONの核は殺人的で暴力的なサウンドだ!!でも混沌の中で素晴らしい快楽を生み出していたし、そこには純粋な格好良さしか無かった。



・killie

 今回一番アウェイだったであろうkillie。でもアウェイだったからこそ今回のkillieは凄かった。先ずいつもラストにプレイしている「落書きされた放置死体」は今回プレイせず、プレイしたのは「歌詞は客の耳に届かない」、「脳死が俺の側に」、「お前は労力」の完全に突き放したセットリスト。何よりもkillieメンバー全員から殺気が充満しまくっていた。ここ最近のkillieのライブはモッシュも凄く起こるし、killie側もそれを煽る感じのテンションのライブをするし、核の部分は貫きながら、より外へ外へとその膨大なエネルギーを放出するバンドになったとライブを観ていて思ったけど、今回は全然違った。客は誰もモッシュをしないでただkillieのステージをじっと見守っているし、ステージで繰り出されるサウンドに対してどう反応して良いか分からなくなってしまった。ギターリフから血飛沫が吹き出し、ドラムとベースですり潰される。気が付いたら僕は伊藤さんの放つ言葉をなんとかなんとか聞き取ろうとしていた。僕がkillieを知らなかった時代、killieが一番尖っていた時代のライブってこんな感じだったのかとじっと見守りたくなったし、アグレッシブな繰り出される音とは裏腹に完全に置き去りにされてしまいそうな気分になったし、観ている側はそれになんとかしがみついていたんじゃないかな。ラストの「お前は労力」は今回ライブで初めて聴いた曲で(オフィシャルサイトに上がっていたセトリで曲名分かった)、今回のセットの中では一番各楽器の音のエッジが鋭い曲になっているけど、どんどんどんどん増幅するエネルギーとは裏腹に、これ完全に殺されてしまうんじゃ無いかって思い始めていた。そして呆気に取られたまま気付いたらライブが終わっていた。この理解出来ない事に何とかしがみつきたい、それを知りたいし触れたい。killie側が全てを突き放すライブをしていたからこそ、より強くそれを思ったし、killieはまだまだ凄いバンドである続けるんだろう。



・The Body

 killieの凄まじいライブに圧倒されたが、本日の主役であるThe Bodyがいよいよ登場。ギターボーカル兼ノイズのメンバーがまずとんでもない巨漢で驚いた。腕とか滅茶苦茶ブヨブヨじゃないか。ドラムの人も腕は刺青、髭、ハゲともうスラッジバンドの役満感出ているルックスで最高だ。でも実際のライブは本当に良い意味で裏切られたと思う。音源でのロクでもない殺意と憎悪を音にしましたってサウンドをより増幅させたサウンドをライブで展開するのかと思ったら全然違って、ライブではスラッジコアのグルーブを最大限に生かしたノレる重圧殺サウンドという何だか矛盾しているサウンドを展開していた。確かに音はデュオとは思えない厚みがあるし、ドラムのスラッジビートは音源よりもずっと音量もパワーも凄まじく、正に粉砕サウンドなんだけど、ドラムのストイックでタイトなサウンドはある意味では非常に頭振れるビートになっていて、スラッジコアのままビートの魔力を宿して地獄でダンスする様なビート、一方でギターのサウンドも音量あるし、重いし、モロにスラッジなんだけど、必要以上に地獄感を出すのでは無く、持ち前のロクでもないスラッジサウンドを洗練させているサウンド。そんな二人が放つ音はライブでは本当に余計な音を完全に削ぎ落としてタイトなサウンドになっていたし、それが逆に無駄が無いからこそダイナミックに伝わるし、踊れるスラッジになっていた。時にはギターの巨漢の人が手元のボードから持続音ノイズを発生させたりもしていたけど、それもやり過ぎな感じで出すんじゃ無くて、良い塩梅で曲にアクセントを付けている感じだったし、脂肪だらけのルックスとは裏腹にソリッドでシャープなスラッジサウンドは、Lentoとか5iveに近いサウンドであったし、でも大音量で地獄を生み出すんじゃなくて、良いバランスで暗黒感を出しつつ、そこから充満するタイトなグルーブに頭を振りまくった。ライブは30分程でアンコール無しというセットだったけど、正直もっともっと聴きたかったし、一時間位のロングセットでも全然飽きないライブだった。しかし最初は本当に耳がぶっ壊れるんじゃないかって地獄を想定していたけど、全然違って、でもやっぱりろくでもない荒涼としたスラッジサウンド。本当に凄い物を観ましたよ!!



 The Body終了後にVampilliaのmicciが登場し、来ていたお客に感謝の言葉を述べ今回のイベントは終了。終わったのは23時15分とかで凄くヘトヘトになってしまった(でも平日だからスタート早める訳にもいかないだろうし、転換時間かかるバンドばかりだったからそればかりは仕方無いのかもしれない)。でも火曜の夜にこんなイベントをやってのけてしまういいにおいはやっぱり流石だと思うし、特に主役のThe Bodyは勿論だけど、killieのライブはThe Bodyに対する日本からのアンサーだった気もするし、ENDONとSETE STAR SEPTも爆音地獄で応戦していたし、Vampilliaはやっぱりvampilliaだった。昨年の来日公演に行けなかった身としては今回のThe Body来日は本当に嬉しかったし、日本のロクデナシ共に対して最高のライブで応えてくれていて嬉しくなった。是非ともまた日本にやって来て暗黒スラッジサウンドを放出して欲しい。そして他の出演した国内バンドといいにおいにも改めて感謝とリスペクトを。
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