fc2ブログ

■【絶対不変のハードコアの核】STUBBORN FATHER shigeロングインタビュー

IMG_0246.jpg




 STUBBORN FATHERはハードコアの必然だ。1999年に結成され、それから15年以上に渡って活動を続けて来たバンドだが、これまでの多数の音源のリリースや多数の企画を重ねながらもずっとブレる事無く活動を続けて来たバンドであるし、大阪の激音を代表するバンドと言っても良いだろう。活動こそマイペースではあるが、SeeKとの共同企画である「孔鴉」、TRIKORONAとのスプリットのリリース、そして近日リリース予定のSeeK、Altar Of Complaints、Thetanとの4wayスプリットとSTUBBORN FATHERは着実に歴史を重ね続けているし、何よりも結成当初から全くブレないスタイルを貫きながらも進化を続けているバンドだ。
 今回、STUBBORN FATHERのフロントマンでありボーカリストであるshige氏へのメールインタビューを試みた。shige氏は丁寧に質問に回答して下さったが、同時にSTUBBORN FATHERというバンドのブレ無い信念と核を丁寧に言葉にして下さっているし、大阪が生み出したハードコアヒーローであるSTUBBORN FATHERが何故ハードコアの必然であるのか、今回のインタビューがその答えに少しでも近づける切欠になって欲しいと思う。



10997476_965576370128360_5531929700481954288_n.jpg




・バンドの結成からの経緯と現在に至るまでの活動についてSTUBBORN FATHERを知らない方の為に簡単にお願いします。

1999年に僕と友人であったギターのFukusukeで結成。結成時は4人編成でしたがすぐにベースが脱退、僕がベースを持ち3人編成で4、5年ほど活動。この間にデモを2作とスプリット(w/ANCHOR,新潟)、1st、V.Aなどをリリース。その後、ドラムのKoichiが脱退。ヘルプドラムでNi-yan(ex-緑血)、2人目のギターにYasuoka(ex-NIHILIST)、現在のベースのMorishitaが加入し5人編成で再スタート。この間にV.Aなどをリリース。その後、Ni-yanが脱退し、ヘルプドラムにShin(orrorinz/bebedelbanco)が加入。この間に2ndをリリース。その後、Yasuokaが脱退し、代わりにSankonが加入、脱退。Shinが脱退し、ヘルプドラムでChihiro(ex-BAD DIRTY HATE)が加入、脱退。この間にV.Aをリリース。2009年に現在のドラムのCamel(ex-冨嶽)が正式メンバーとして加入し現在の4人に。この間にスプリット2作(w/R3N7、w/TRIKORONA)とV.Aや2002年から2012年にリリースした楽曲をまとめたディスコグラフィーカセットをリリース。主催企画、[思想信念]、[覚醒SURU]、[孔鴉]。大体こんな感じです。



・STUBBORN FATHERというバンド名の由来と「貫1999神」の意味は?

「STUBBORN」=「貫く」、「FATHER」=「神」という意味を込めて付けました。~FATHERにしたかった。海外ではFATHERやMOTHERは、「神」とも意味する言葉だという事と、人間を感じる単語を使いたかったんです。"不屈"などという意味でもあるSTUBBORNが並ぶ事で、見た目全体の造形と強靭そうなインパクトが良かった。直訳も洒落てて面白いし、一風違う感触のバンド名にしたかった。結成時に独自のスタイルを貫く決心をし、それで1999年に結成した“貫神”です。



・バンドとしてはどの様な音楽を志していますか?またどのようなバンドの影響を受けましたか?

現実という凄まじい世界観をそのまま僕達なりの緊張感ある危険な音で表現出来ればと思っています。初めに影響受けたのは、90年代あたりのジャパニーズハードコアパンクが中心で、それから様々な音とハードコア以外のジャンルにも影響を受けていきました。



・初期はシンプルでストレートな激情系サウンドでしたが、現在の様な多展開のカオティックなサウンドにはどのように変化していきましたか?

単純にメンバーが増えたりして、やりたい事が出来るようになったからだと思います。それと曲に対して、その曲の答えをもっと追求するようにしていったからだと思います。



・楽曲はどの様に作られていますか?

ギターのFukusukeがベースとなる曲やフレーズを持ってきてから始まります。後はみんなで色々出し合って聴いてを繰り返して積み上げていく感じですね。



・これまで発表された楽曲を聴くと多少の変化こそあれど根底はずっとブレていない様に思います。15年以上に渡ってブレずに自らの音楽を貫いてきた理由はなんでしょうか?

そう言ってもらえて嬉しいです。その時代やコンディションによって当然感化される事はありますが、誰かの真似事ではなく、いかに消化して独自のスタイルにするかを追求してきたつもりです。不変な核があって納得してこそ、初めて説得力を生むと思うからです。







・昨年末にTRIKORONAとのスプリットをリリースされましたが、どの様な経緯でリリースする形になったのでしょうか?

2012年にTRIKORONAの1stアルバムと僕達のR3N7とのスプリットのダブルレコ発を東京の早稲田ZONE-Bでやったのですが、その時の打ち上げでTRIKORONAのKoreeda君が誘ってくれました。うちらともやろうよって。嬉しかったですね。TRIKORONAは、凄い個性を持った素晴らしいバンドなので。でも、その時はかなりお酒も入っていましたし、本当に僕達でいいのかという不安もあり、後日再確認。あの話どうする?みたいな。やろうよ。じゃあ1年後に。と言いましたがリリースまでに2年かかってしまいました。



・TRIKORONAとのスプリットの楽曲はこれまで以上に複雑でありながらもアグレッシブな楽曲ばかりですが、どの様な事を志して作られましたか?

毎回、曲を作る度に志しているのは、前作の楽曲群を越えるという事ですかね。色々な部分でね。さらに次の作品へ繋げる事など。今回この感触の楽曲に仕上げるというのは自然だったのですが、それに対して追求する方向をメンバー全員が意識して、それぞれがしっかりやるべき事をやったからだと思います。
「降伏フィルム」は10年前くらいに作った曲で、少しアレンジをしてこの時代のタイミングに卸しました。さらにTRIKORONAという超強力な化け物みたいな対戦相手に負けられないという気持ちも上乗せされ、このような楽曲群が生まれたのだと思います。そして毎回ですがSTUBBORN FATHERと真摯に向き合って楽曲を最高な状態にしてくれたエンジニアの原田君(大阪/梅田 M4Ⅱstudio)には非常に感謝しています。







・SeeK、Altar Of Complaints、Thetanとの4wayスプリットのリリースも控えていますが、こちらはどの様な経緯でリリースする事になりましたか?またどの様な楽曲が収録される予定でしょうか?

お世話になっているアメリカのレーベルMeatcubeのRyanが4wayを出したいから参加して欲しいと誘ってくれたんです。その話を貰ったのがTRIKORONAとスプリットを約束した数ヶ月後くらいだったので、今は曲が無いから前の曲でも良いならと伝えました。そしてRyanに日本のもう1バンドは僕に決めて欲しいと言われました。それでちょうど考えている時にSeeKと出会い、RyanにSeeKを提案しました。
収録曲は、2007年にリリースされたTRIKORONAと出会うキッカケにもなったV.A「REAL JAPANESE UNDERGROUND 2007」にしか収録されていない「創造の山」という曲と、2012年にリリースしたR3N7とのスプリットに収録されている「未定」という曲の2曲になります。両方アレンジを施して再録音した物になります。この話とほぼ同時にディスコグラフィーの話もくれたので、この2曲はディスコグラフィーから外しました。



・ここ最近のライブではANODEの「隠された太陽」のカバーも披露していますが、どのような経緯があってライブでカバーする様になりましたか?

ANODEとは2001年に東京の吉祥寺WARPで対バンしてからの戦友で、それ以来VoのKazuhito君とは公私共に仲良くなりました。なんか同じ匂いがしましたね。僕にとって一番のライバルにもなりました。しかし、ANODEが2009年に発表したアルバム「負の新種」をリリースした直後、彼らは解散してしまいました。僕にとっては1つの大きな糧だったので、とてもショックでした。それから数日後、Kazuhito君から無言のままマイクが送られてきたんです。それで全てを理解しました。それ以降、僕が歌う時は必ずこのマイクで歌い続けています。
そして、いつかこのマイクでANODEの曲を歌いたいと思いました。メンバーにカバーをやろうと話を持ち掛けたのは、今から3年前位です。カバーなんて初めてだし、下手すると名曲に傷を付けてしまうのではないかという不安もありましたが、これは遂行しなければならないという気持ちが強かったので自分達を信じました。「隠された太陽」は僕が選びました。ANODEの曲はどれも素晴らしいのでとても悩みましが、この曲が一番体現してみたいという素直な想いでした。そして、そのタイミングがきた時にKazuhito君に電話で伝えました。カバーしたい事を快く承諾してくれました。ANODEの他のメンバーにもコンタクトを取ってくれて、一同からも嬉しい励みになる言葉をもらい、自信を持ってカバーする事が出来ました。今では「STUBBORN FATHER」+「隠された太陽」は、鬼に金棒だと思っています。



・STUBBORN FATHERは音源やTシャツのアートワークだったり、ライブでの蛍光灯のみの照明といったビジュアル面での魅力も凄くあるんですけど、そういった部分はどの様な事を意識していますか?

単純に僕がSTUBBORN FATHERというバンドの魅せ方はこういう感じが格好良いだろうと思って手掛けています。Tシャツのアートワークは、デザインでも意味をしっかり伝えたいので、その時の曲を表現した物が多いです。またハードコアバンドのTシャツである事を当たり前ですが強く意識しています。
ライブでの照明については、現時点でのSTUBBORN FATHERの世界観を表現するには必要に感じたので用意しました。デザインにしろ、ステージにしろ、視覚から感じ取る物も重要ですし、音と視覚のピントを合わせる事は必須だと考えています。



IMG_0244.jpg




・ライブの方にお話を移しますけど、どの様な意識で毎回ライブには臨んでいますか?

何も考えていません。全部吐き出すのみです。



・これまでSeeKと共に大阪で孔鴉を定期的に開催されていますが、これまで回数を重ねて感じた事や手応えはありますか?また今後どんなイベントにしていきたいですか?

理想の手応えというのはまだ感じていません。ただ、出演バンドには本当にお力を貸して頂いております。無理を承諾して頂けるおかげで、僕達のやりたい事が現実に変わり、そしてそこにお客さんが加わって、さらに次へと繋がっていける。どちらかが欠けるとこのようなイベントの実現は難しく、続けるのは困難になります。本当に感謝しかありません。
大阪には無いイベントにしたい事は勿論、主旨、世界観の元、僕達が魅力を感じるバンドを招いて、それを大阪然り関西の方達にも体感して頂きたいという想いもあります。この"孔鴉"で繰り広げられる熱い戦いが僕は好きなので、その緊張感と熱気は必ず感じられる事、そしてお客さんと出演者の皆さんにも満足いただけるイベントであり続けていけるよう頑張って行きたいですね。



・これまでの歴史の中で数多くのバンドとスプリットをリリースしたり共演したりしていますけど、STUBBORN FATHERとしてどんなバンドにシンパシーを覚えますか?またこれからどんなバンドと共演したいとかありますか?

中々難しい質問ですね。考えてみれば、今まで沢山の様々なバンドと共演させて頂きました。その中で、今でもお付き合いがあるバンドやイベントに出演して頂いたバンドには、何かしら共感出来る部分があるのだろうと思います。でも、共感というよりは尊敬という言葉が近いです。自らしか出せない個性を光らせてるバンドには、やっぱり惹かれますね。僕達が知っている限りで気になっているバンドはイベントに呼びたいので、その時にでも共演出来たら良いと思いますし、僕達を誘って頂いたりして、知らなかったり観た事のなかったりするバンドと新たに出会えるのも毎回楽しみですね。



・STUBBORN FATHERは大阪のバンドですけど、実際に大阪のシーンはどんな感じなのでしょうか?

よく分かりません。シーンというものには無縁なように思います。だから様々なバンドと共演して来れたんだと思います。



・東京や他の場所でライブをして大阪のシーンの違いだったりとかを感じたりしますか?

しますね。他は色んなバンドが出るイベントでも成り立っているように感じます。



・今後はどの様な楽曲が生まれていくと思いますか?

それは僕にも分かりません。しかし僕達自身がそのさらに先を見据えられるような楽曲にしなければならない事だけは解っています。



・STUBBORN FATHERはどんなバンドでありたいと思っていますか?

安売りされた唯一無二ではなく、本来の唯一無二のバンドでありたいですね。



・STUBBORN FATHERが生み出すハードコアの終着地点は何処だと思いますか?

それは未だ分かりません。それも面白くてこんなに長く続いているのかも知れません。今のメンバーでどこまで出来るか分かりませんが、まだまだやりたい事があるので未だ終着地点が何処だか見えないのかも知れませんね。



・STUBBORN FATHERが音楽を通して描きたい物や訴えたい物とはズバリなんでしょう?

ハードコアその物であり、全てが繋がる「今」です。僕はその時の世の中の様々な問題についてを僕なりの言葉で投げ掛けていきます。そして引き続き、日本人らしい、人間臭いハードコアを鳴らして行きたい思っています。



・これからの予定や展望など教えてください。

次は単独作かなと思っています。他にも諸々ありますが、いつも通り流れに任せる感じで楽しんでいきたいですね。



IMG_0245.jpg

10991114_965576310128366_7304593522082204593_n.jpg

10991304_965576323461698_1043102277157745285_n.jpg



samazamanakonwaku3.jpg

2015/08/01 at 東高円寺二万電圧
TRIKORONA presents「様々な困惑」
"TRIKORONA × STUBBORN FATHER Split CD release GIG"

TRIKORONA
REDSHEER
GOUM
STUBBORN FATHER
weepray
unconscious disharmonic malfunction

Breaktime Noise: (((AMNESIa-cHANNEL)))

Distro Store: 3LA

Open.17:30 Start.18:00
Adv.1,800yen Door.2,000yen (+1d 500yen)




【オフィシャルサイト】http://www.stubbornfather.com/
【facebook】https://www.facebook.com/stubbornfather
【twitter】https://twitter.com/stubbornfather



photographer : ミツハシカツキ(http://xgtex.tumblr.com/)&ellie
スポンサーサイト



■コメント

■コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

 

プロフィール

AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

タグ別記事表示

日本 ライブレポ 激情系ハードコア アメリカ スラッジ ポストメタル ポストロック ポストハードコア カオティックハードコア ドゥーム エモ イギリス サイケ オルタナティブロック フランス アンビエント ストーナー ネオクラスト ドイツ ドローン ギターロック シューゲイザー ハードコア グラインドコア ロック プログレ インタビュー ポストブラックメタル ポストパンク マスロック デスメタル カナダ スウェーデン ブラックメタル スラッシュメタル モダンへビィネス ギターポップ エクスペリメンタル イタリア ジャンクロック エレクトロニカ インダストリアル ベルギー フューネラルドゥーム グランジ オーストラリア 年間BEST ノルウェー ジェント アコースティック パワーヴァイオレンス スペイン フォーク ミニマル ニューウェイブ ポップス ラーメン プログレッシブメタル ブラッケンドハードコア モダンヘビィネス ゴシックメタル ロシア ファストコア ノイズ ニュースクールハードコア メタルコア ハードロック フィンランド アブストラクト トリップホップ ゴシックドゥーム 駄盤珍盤紹介 自殺系ブラックメタル ヒップホップ オランダ ポジパン ダブ クラウトロック パンク ノイズコア ノーウェイブ シンガポール ダブステップ ゴシック ラトビア ミクスチャー デンマーク メキシコ ドラムンベース テクノ アシッドフォーク インディーロック ヴィジュアル系 メタル スイス チェコ ヘビィネス ブルデス ウィッチハウス メロディックパンク オルタナティブ アイルランド ポーランド ジャズ フリージャズ アイスランド シンフォニックブラック カントリー USハードコア スコットランド トルコ ギリシャ イラン ポルトガル モダンクラシカル 韓国 ボイスCD トラッドフォーク ファンク クラストコア スクリーモ 年間ベスト ニューウェイヴ レゲエ ヘビィロック プリミティブブラック ハンガリー 台湾 ソフトロック 声優 ドリームポップ ガレージ 

カテゴリー

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード

カウンター