■REDSHEER Presents“GRAY WORLD Vol.2 -1st ALBUM [Eternity] RELEASE LIVE SHOW-”(2015年7月11日)@東高円寺二万電圧

 2014年のライブ活動開始から精力的な活動によってその名を広げてきたREDSHEER。いよいよその全貌を世に知らしめる1stアルバム「ETERNITY」をリリースする事になった。今回は4月の立川バベルでの自主企画に続くREDSHEER企画第2弾であり、1stアルバムリリースパーティ。10バンド出演の前回と違って今回は3マンライブだったが、REDSHEERとCo/SS/gZとele-phantによる3マンという恐らく二度と無いであろう三者のガチンコの激戦ライブ。チケットは勿論ソールドアウトとなり、二万電圧は人で溢れてフロアは殆ど身動きが取れない状態になっていた。それだけ多くの人々を虜にしてきたREDSHEERだけど、実際にその事件とも言うべき今回の企画を目撃し、REDSHEERの凄さを改めて実感させられた。



・Co/SS/gZ

 昨年の再結成ライブから今回で5回目のライブとなるCo/SS/gZ。前回はASTROとのコラボ編成でのライブだったけど、今回はCo/SS/gZとしてのライブ。実際Co/SS/gZの戦闘を目撃するのは昨年の大阪での戦闘以来だったけど、その時のライブとも今のCo/SS/gZは完全にモードが違った。これまでのライブとは違ってサプライズな仕掛けは殆ど無し、パフォーマーの♡GrinderS♡のお姉様方もいらっしゃったけど、常にステージ上にいる訳では無かったし、プラカードのパフォーマンスも無し。何というかやっと本来の形とは違うけど、残された三人と境さんの4人でのCo/SS/gZとしてのライブが観れた事が先ず嬉しかった。ジャンクという言葉じゃ片付かない、膨大な機材を使用しまくった最強にケミカルな爆音のツインギターと息の合ったツインドラムのビートだけで戦う爆音鬼としてのCo/SS/gZだ。バンドのキラーチューンである「COBRA」や「MONEY」といった曲の切れ味はやっぱり凄いし、バンドとして腹を括った感じも改めて実感させられた。MCも殆ど無しでMCらしいMCは大地さんの「ライス食わせろ!!」位だったんじゃないかな?と言いつつやっぱり悪ふざけしちゃって「J」をプレイしている時にどこからともなく牛丼が出てきて(絶対二万の近所のすき家で買ってきた奴だ)、大地さんがドラムスティックで牛丼を食う→ゼロさんが普通に牛丼食う→フロアの人達で回し食い。なんて光景もあったけど、実際にそれ以外は本当に緊張感しか無いステージだったと思う。コーパスの名曲群を矢継ぎ早に繰り出し、爆音での戦闘をお見舞いするだけという、シンプルなんだけど誰もが一番観たかったコーパスだ。二万のサウンドとも相性最高で耳がぶっ壊れるんじゃ無いかって音量でのライブだったにも関わらず、フロア側に炸裂する音は凄くクリアで耳にダメージが全然来ない、最高に気持ちいいサウンド。そんな音で聴く「rock'n'roll」は極上の一言だったし。終盤の楽曲はそんな音が見事に生きていた。ノイジーさとヘビィさとサイケデリックさが一番良い場所で聞こえてくる「ANSWER」で改めてCo/SS/gZの覚悟を見たし、最後の最後はゼロさんが境さんのドラムセットを倒壊させようとして狂乱の戦闘は終了。これまでみたいな仕掛け無し、一服休憩も無し、牛丼タイム以外は本当の意味でのコーパスだったし、それが本当に格好良かった!!単なる焼き直しの再結成じゃない、現在進行形で「今」のコーパスをやっと観れた。そんな喜びを感じるライブだった。



・ele-phant

 REDSHEERに続けとばかりに秋にアルバムリリースが決定したele-phantのライブは本当に異次元旅行とも言えるライブだった。ベースの斉藤さんが笑うレベルで大量のエフェクターで自分を囲い、正に足の踏み場しか無いって感じだし、ベースだけでアンプ4台も使用している超絶変態仕様のセッティングに先ず目がいくけど、ele-phantは純粋なサイケデリックの申し子だ。これまでele-phantに対して新感覚のサイケデリックドゥームのバンドだって認識があったけど、それは間違いだったと思った。確かにその音は紛れも無く他に無い新たなるエクストリームミュージックではあるけど、このバンドに対してサイケデリックとかドゥームって呼び方をしてしまうのは全然的外れだし野暮だと思った。ベースとドラムとボーカルだけの編成も先程上げた変態仕様のセッティングもele-phantにとっては必然でしか無いし、そんな編成とセッティングでどこまでも純粋なロックサウンドを鳴らすからこその素晴らしさなんだと思う。改めてボーカルの凄さという物を今回のライブで感じたし、エクストリームミュージック屈指の技術と表現力を持つボーカルはベースとドラムのみのバンドサウンドの中で他のバンドよりもより大きな比重を占めているサウンドスタイルの中でより輝く物だと思うし、重音とメロディを変幻自在に繰り出すベースと共に、ele-phantにしか生み出せない歌心溢れるサイケデリックさ、その中での熱情を体現。最早新たなるブルースだとも言えるし、いつもより長いセットだったからこそ曲の持つ余韻もより濃厚に感じたし、ラストの曲の10分近くに渡るサイケデリアはよりゴシックに、より深く、より美しく、より重く描かれる絵画の様な完成度だったし、その世界観は絶対的な物だった。秋にリリースされるアルバムも本当に楽しみだし、REDSHEERに続いてele-phantも新たなる激音をもうすぐ提示するだろう。それが本当に楽しみだ。



・REDSHEER

 そして本日の主役REDSHEER。フロアの客電が落ちた時点でフロアの興奮は最高潮となり、至るところから叫び声が聞こえてくる。SEであり、アルバムのオープニングを飾るイントロ「ETERNITY」と共にメンバーが登場し、美しい轟音が流れる中で新たなる激音の世界が始まった。トップを飾る「Silence Will Burn」の時点でREDSHEERの完全勝利とも言えるライブになるのを確信したし、REDSHEERの提示する新たなる激音がネクストステージへと飛び立ったのも確信した。精力的なライブ活動によって鍛え上げられた曲はより破壊力と説得力とテンションを持つようになり、序盤の時点で全てが空っぽになってしまうんじゃないかっていう膨大なエネルギーが破裂しまくっていた。小野里氏の重低音の最も重い低音のベースラインをうねりながら叩きつけるグルーブとraoさんの圧倒的音量とタメとキメの美学を極めたドラムのリズム隊のグルーブが本当に凄まじい!!しかもいつも以上により前のめりになったグルーブはより破滅的であったし、山口氏のギターワークもこれまでよりも格段にキレが増していた。クリーントーンのサウンドの緊迫感と、ディストーションサウンドの奈落を音にしたみたいなダークネスと、その中から溢れる悲哀と熱情、その音は紛れも無く地獄でありながら人間味溢れる音になっているし、REDSHEERが描く「愛と憎悪」なんだろう。
 続く「Blindness」、「In A Coma」、「Rule The Gray World」も紛れも無い激音でありながらよりメロディアスになっているし、リフとグルーブの破壊力はそのままで、しかしよりメロディを感じさせるサウンドスケープを展開。だからと言ってバンドのテンションを抑え目にしているかって言ったら全然真逆だし、バンドのテンションが高まる程によりメランコリックさやエピックさも加速し、激情の中で渦巻く感情をより明確に表現していたと思う。「In A Coma」のクリーントーンとディストーションの対比が生み出す螺旋階段が倒壊していく様な音には震えた。そして驚いたのは新曲だ。最初はクリーントーンで静謐で最早ポストロックなんじゃないかって音だったけど、それは完全なる騙しであり、そこから刻みまくったスラッシュなギターリフと共にゴリゴリに攻めまくる新たなるキラーチューン!!勿論REDSHEERが単なるメタリックなハードコアなんてやる訳が無いし、より明確に感情表現をしながらも、より攻めるサウンドを展開し、よりカオスへと落下していく新たなる名曲だった。
 そして後半は完全に地獄。個人的にREDSHEERを象徴する抑えきれないエモーションをおぞましく体現した「The End, Rise Above」のうるさくて泣けてダークな激情は何度ライブで観ても涙腺が緩くなるし、「Curse From Sad Spirit」の激と静の対比とポストメタルの領域に達した複雑極まりない楽曲構成からくるドラマティックさ。より複雑に、よりダークに、開けてはいけない扉を開けてしまう様な倒錯感と陶酔感に溢れるサウンドで、より前人未到の領域へ。そして本編ラストの「Gloom」で完全に地獄へ。ほぼワンリフで展開される曲でありながらそのリフの反復が禍々しく襲い掛かり、音と叫びが制御不能の暴走状態へと陥り、それで何の救いも無く焼き尽くされてしまった。でもそれって僕たちが生きる現実と何も変わらないし、そんな日々のダークネスを描いてるんだとも思った。だからこそアンコールでプレイされたREDSHEER流メタリックハードコアのアンセム「Yoru No Sotogawa」の乾きを知らぬ欲望と感情の雄叫びは僕にとってはある意味一つの救いに聴こえたし、最後の最後にこの曲で終わってくれて本当に良かったとも思った。何処までも生々しい感情のドキュメントとも言えるライブだったし、バンドのテンションは終始爆裂のまま隙が全く無い本当に恐ろしい気迫で全てを叩きつける最高のライブだった!!

セットリスト

SE.Eternity
1.Silence Will Burn
2.Blindness
3.In A Coma
4.Rule The Gray World
5.新曲
6.The End, Rise Above
7.Curse From Sad Spirit
8.Gloom

en.Yoru No Sotogawa



 レコ発ライブソールドアウトという超満員の二万だったが、殆どの人が全3バンドをしっかりと目撃していたと思うし、その3バンドが本当に最高のライブを繰り広げていた。とうとうバンドとしての底力を発揮し始めたCo/SS/gZ、新たなるサイケデリックの扉を開いたele-phant、そしてカオティックも激情も超えた新たなる激音を生み出したREDSHEERと本当に最高の3マンだった。動員的な意味でも大成功のレコ発だったけど、まだまだこれからだ。もっともっと大きなステージで、もっともっと多くの人々と激音を鳴る場所でその素晴らしさを体感したいし、REDSHEERならそれが絶対に出来ると僕は信じている。
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