■Noise Slauter Vol.6(2015年8月22日)@新大久保Earthdom

 毎回ボーダーレスにキャリアやジャンルを問わず本物のバンドばかりが出演するBB企画。今回はREDSHEERとxerowoundとOSRUMを迎えての開催となった。
 主催のBBを含めて、偶然か必然か今回出演する4バンドはバンドの歴史自体は決して長くない新人バンドばかりだが、それぞれのバンドのそれぞれのメンバーのキャリアは凄い物があるバンドばかりで、そんな新人だけど新人じゃない4バンドが集結し、これまでのキャリアでは無く、現在進行形の今の音こそが必然だと訴える夜になったと思う。



・REDSHEER

 トップバッターはアルバムリリースから本当に精力的にライブを重ねているREDSHEER。
 REDSHEERのライブはガッツり追いかけさせて頂いているので観るのは今月3本目ではあったが、この日のライブは前回観た手刀の時のテンションの振り切ったライブとはまた違って、少しばかり引きの部分も意識していたライブだと感じた。
 REDSHEERは曲こそ複雑極まりないけど、非常にメロディアスであり、ハードコアならではのテンションの高さが既に存在しているバンドであり、ライブではそのテンションがより暴発した混沌が魅力であるが、この日は曲のテンションの高さを生かしつつも、より繊細に曲を聴かせるライブに仕上がっていのだ。
 勿論ここ最近は毎回トップを飾る「Silince Will Burn」のハイボルテージさや、ラストを飾った「Yoru No Sotogawa」といった曲では激昂を叩きつけて来たけど、少し久々にプレイした「Blindness」は曲が持つエモーショナルな叙情性をより高次元で体現し、「The End, Rise Above」では熱情と静観の境界にある燻りからの爆発を描く。
 この日は特に「Curse from Sad Spirit」が象徴的で、脂が乗りまくったREDSHEERのサウンドとドンピシャにハマり、曲の持つ不穏の美と絶望感が混じりっ気無しで交錯し、正に「愛と憎悪」を表現していたと思う。
 次回のライブは9月の3回目となる自主企画だが、壮絶なる暗黒の夜、また新たな進化を遂げたREDSHEERが観れるだろうし、そんな期待と新たな発見が生まれたライブをこの日は展開していた。



・xerowound

 昨年、killieの内田氏、akutagawaの英樹氏、MIRRORの磯貝氏、ex.200mphのヘラ氏によって結成されたスーパーバンドxerowound。昨年の活動開始からずっとライブが観たかったが、タイミングが合わず今回遂にライブを観る事が出来た。
 気になるその音楽性であるが、90年代のUSポストハードコアサウンドを2015年に体現するといったエモーショナルかつソリッドなサウンドでまた驚いた。それぞれのメンバーのキャリアとはまた違うけど、でも4つに散らばった点が確かに結びついて形作っているのだろう。
 ツインギターでドライブしながらも、哀愁の渋味がムンムンなリフは熟練の猛者の技、磯貝氏のベースはMIRRPRの時以上に攻撃的にボトムを形成しながらも、テクニカルな安定感はやっぱり健在、ヘラ氏のドラムはもうヘラ節全開で、200mph・SPIRAL CHORDで聴かせてたダイナミックなビートの爆撃をこのバンドでもガッツり叩きつけてくる。
 どこか懐かしくもあり、どこか荒々しくもあり、初期衝動に満ちながら、でも一筋縄で済まない拗れた熱情。それぞれが自らのキャリアでシーンを作り上げた猛者だからこそ生み出せるどこまでも王道を爆走するエモーショナルポストハードコア!勿論痺れたに決まってる!!



・BB

 そして主催のBBへ。これまで何度も次元の法則を変えるライブを繰り出してきたBBだけど、この日のBBは個人的にこれまで観た中で一番のベストアクトだったと思う。
 楽器隊3人の演奏から始まり、Ryuji氏がステージに登場した瞬間にアースダムの空気が一変。そしてMVも先日公開された「shadowy」へ!!一声目のRyuji氏の叫びだけで胸のざわつきが止まらなくなり、そして楽器隊が爆発して魔境へ!!
 BBはアプローチとしてはヘビィネス黎明期やカオティックハードコア黎明期のサウンドを2015年の必然として鳴らしている物ではあるが、それはあくまでも表層的な部分の話に過ぎず、その表層の下にはマグマの様に熱くドロドロした得体の知れない物が渦巻く。
 Ryuji氏が叫びながら何度もフロアをその鋭い眼差しで射抜き、その姿は仙人の様でもあり、悪魔の様でもある。勿論、楽器隊の3人も同様にスペシャリストであり、難解極まりない複雑な楽曲を完全な密度で表現していく。
 ビートも全然ノリ易い訳じゃないし、グルーブの異質さは恐怖すら覚える、それなのにダイナミックさは全く失わないで襲い掛かり、同じくズタズタのリフを叩きつけながらメロディアスでゴスで耽美なコード感を持つ坂元氏のギタープレイ。巡り巡った地獄の八十八箇所巡礼の末に行き着いた先の絶望がBBだ。
 ラストにプレイした新曲も完全に聴き手を突き放し、その虚無感のまま無情に終わりを告げるという完全に全盛期NEUROSISなそれを展開。最早NEUROSISとかTOOLといったバンドと比肩する完成度を誇りながらも、その先のオリジナリティへと繋がるBBは今こそ聴くべきバンドであるし、最早メンバー四人のキャリアは関係無いと思う。
 まだ正式音源のリリースは無いけど、正式音源は国内のヘビィロック・ハードコアの歴史に大きな傷跡を残す作品になるだろうし、ベテランだからこそ生み出せる新たなる歴史をBBは現在進行形で記し続けている。



・OSRUM

 トリはOSRUM。昨年末のレコ発以来にライブを観るけど、先ずはギタボの魚頭氏のアンプが前よりも増えていて驚く。
 ライブは「2013」からスタート、美麗のメロディをダイナミックに奏でるOSRUMのサウンドはこの日の出演者の中では一番ポップでシンプルではあるけど、単なるエモで終わらないのがOSRUMだ。
 初期USエモとグランジを通過した上で放つミドルテンポ主体の音は正に熟練の匠の技が光りまくり、羽田氏と藤本氏のリズム隊によるグルーブのコシの強さはそんじゃそこらのバンドには絶対に出せない物。
 機材トラブルもあったりでライブ自体は決して本調子では無かったかもしれないけど、それでも他を圧倒する曲の完成度の高さもそうだし、ちょっとやそっとじゃ揺るがないアンサンブルはどんな逆境でも鉄壁である。
 今後音源化されるであろう新曲もグランジ通過ミドルテンポなOSRUM節が響き渡り、メロディを活かす魚頭氏のギターの音作りの繊細さと大胆さもより郷愁の余韻を確かな物にする。
 激音バンドが3バンド続いた中でOSRUMが鳴らした音は決して派手では無かったかもしれないけど、アンコールの「全然終わっていない」まで全7曲、透明感の結晶の様なライブだった。



 新人だけど新人じゃない4バンドはキャリアもジャンルも超えて現在進行形のバンドばかりであったし、過去では無く今を生きて音を鳴らしているからこその説得力があったし、それぞれのベクトルこそ違えどそこには歴史を作り続けながらも衝動と才能が全然乾きを知らない猛者たちしかいなかった。
 この日は各地で熱いライブが被りまくっていたけど、この日のBB企画を選んで本当に良かったと思うし、老害にも聖域にも絶対にならない、現役であり続けているベテランの意地と凄みがそこにはあった。
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