■BIRUSHANAH"魔境-MAKYO-"release partyにDJで参加させて頂きました。
DJなんて生まれて初めてでしたし、印藤さんには「音源入れてスイッチ押すだけだから大丈夫。」なんて言われましたけど、他のDJの方々は皆さん僕が大好きで尊敬するバンドの方々ばかり、出演バンドも大好きなバンドばかりという中で別にバンドとかやっていない僕がDJをするっていうのはかなりのプレッシャーでしたし、当日前まで私情で色々ゴタゴタしてて慌ただしかったりもして中々に満身創痍でしたが、今回無事に役目を果たしました。
ライブの方もDJの方も色々目撃させて頂きましたが、金曜の深夜のオールナイトイベントという空気と、出演バンドの良い意味での統率の無さは、Birushanahというある意味ではカルトで謎なバンドのレコ発に相応しい物だったと思う。特に印象的だった4バンドについて書かせて頂きます。
SEI WITH MASTER OF RAMはいつも通りなんだけど、切迫感溢れるライブを展開していたし、音源とは違う一種の危うさがこのバンドにはあって、それはベースレスであるからこそ、3人がそれぞれ積極的に音源での音を解体しているからこそ、丸裸でライブをしているからこその物だし、いつ崩壊してしまうか分からない感覚がありながらも、そこにはロックのロマンと業が満ち溢れている。
ジャーマンメタルと歌謡曲の融合ってフレーズはSEI WITH~には最早不要だと思うし、世界中の美メロ・クサメロ・泣きメロをかっさらった音がそこにはあった。
毎回ラストにプレイする「絵空詩」は本当に象徴的だし、「灰になるまで焼き付けるだけ」っていうラストのフレーズに勇気付けられる人は本当に多いと思う。特にライブハウスっていう地下室ではその業は説得力を持って伝わってくる。
この日の主役だったBirushanahaは前回にduesで観た時も思ったけど、ドゥームとかスラッジって言葉はもしかしたら不適切なのかもしれないってライブだった。
メタルパーカッションとドラムの実質ツインドラムなビートの躍動、ヘビィでありながらもメロディを喚起させるギターリフ、それらが生み出す生命の躍動こそがBirushanahaだと思う。
そして毎回ライブを観て思うのは佐野さんの存在感は色々ズルい。ヤクザというか暴走族なノリで熱いMCもそうだけど、メタルパーカッションというパートでありながら、誰よりも存在感を放つ。
僕は自分のDJの準備もあったから、Birushanahが終わる直前でフロアからバースペに移動しなきゃいけなかったけど、バースペのモニターにはやっぱり銅鑼を持ってフロアに降り立つ佐野氏が映っていた。
昨年ヘブンズで衝撃的な出会いを果たしたWonderLandは配信でリリースされた最新作「The Consciousness Of Internal Time And Space」を通しで演奏するセット。
WonderLandというバンドは改めて全容を掴ませてくれないバンドだと思う。導入こそはMONOみたいな王道のポストロックなテイストのサウンドではあったけど、徐々にクリーントーンのまま不協和音が増幅していくサウンドは頭の中を覗かれている不気味な感覚を覚える。
トランペットやキーボードといった新しい武器を導入しながらも、あくまで3ピースで3ピースの限界に挑んでいくライブであり、轟音パートもありつつ、あくまでクリーントーンで不条理を塗り重ねていく。
でもラストのパートで歪んだリフを叩きつけていく様は正にグランジの一言であったし、WonderLandは独自のポストグランジを突き進んでいくんだと思った。それは多数の色彩を持ちながらも、歪んだ感触を持つクリーンな音が一番物語っていたのかもしれない。
イベントのトリを務めたNoLAは相変わらず絶好調!!いつもより短めのセットではあったけど、イベントをビシッと締め括ってくれた。
ここ最近のNoLAは脂が乗っているというよりも、常に最高のテンションで最高の演奏を繰り出す、NoLA側からもそのブレの無い自信を感じるし、常々大きなバンドになったと実感。
NoLAはヘビィロックでありハードコアであり続ける覚悟をライブで提示しているだけであるし、だからこそ不純物が全く無い。喜びも憎しみも衝動も愛も全てフィルターを全く通さないで音に乗せて吐き出す。
どこでライブをしようがNoLAの音はNoLAにしか生み出せない。だからこそこの若武者たちは既に大物であり、ハードコアヒーローなのだ。
肝心のDJの方だけど、URBAN PREDATOr馬立さんはビートダウンハードコア中心のモッシュな選曲、weepray阿武氏はブレイクコア中心の選曲、militarysniperpinfall西谷氏はニュースクールハードコア中心とそれぞれの個性が溢れる選曲を楽しませて頂きました。
しかし最後の最後にBirishanah佐野氏のDJが全てかっさらってしまった。Bon JoviからCorruptedからX JAPANから果ては「はたらくくるま」までと非常にぶっ飛んだセット。途中でX流しながら普通にフロアにライブを観に行くという暴挙も飛び出し、最後は古き良きHR/HMメドレーで締め。印藤さんもノリノリで大満足だったのでした。
自分はハードコアを敢えて避ける感じで昔の日本のロックだったり、でもやっぱり自分の好きなオルタナとか流した感じ。初めてのDJだった物で色々と戸惑いも多かったけど、なんとか無事に役目は果たせたかな?
自分がDJしている時に「この曲なんてバンドの曲ですか?」と知らない方が声をかけて下さったのが本当に嬉しかったですね。
そんな感じで謎のオールナイトレコ発イベントは大盛況で幕を閉じました。今回チョイ役ではありますが、こうしてDJとしてこんな素敵なパーティに参加できた事は心から誇りに思います。
最後に自分が流したセットを記載します。流した曲順は完全に忘れてしまってるのですけど。
・Turn You Cry/High Rise
・Can't Get Winds/痛郎
・神々のレース/黒色エレジー
・三千世界/ネム
・つまんない/ちゅうぶらんこ
・Mer/Chelsea Wolfe
・僕だけが…/Angel'in Heavy Syrup
・ベッド/割礼
・人造人間/三重人格ノ犬
・34 DANCE/百蚊
・徐々に/GreenAppleQuickStep
・THE Angel(A Wish)/Funhouse
・逃げ水/ele-phant
・This Stops At The River/UNSANE
・Solid crossing/MiDDLE
・DIAGONAL/accidents in too large field
・天使の悲鳴/松崎ナオ
・僕なりの恐怖政治/nemo
・ALLARME/DUNE
・Tired Of Waiting/Nomeansno
・Blind/Su19b
・Spikes To You/Drive Like Jehu
・Oblivion Peak/ワゴム
・konnkatizm/TG.Atlas
・Pareidolia/The Third Eye Foundation
・How Long Can U Front/Kool Keith & 54-71
・The Flow/Model 500
・Million Year Summer/The Angelic Process
・クロニックラヴ/中谷美紀