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■The Consciousness Of Internal Time And Space/WonderLand

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 グランジを起点にしながら何故こんなにも心を不安にさせる新次元へと到達してしまったか…

 WonderLandはメンバーがまだ20代半ばと若手な3ピースバンドだ。二年前にリリースされた1stEP「Welcome To Woderland」では良くも悪くも正統派グランジといった音楽性だったが、僕が初めてヘブンズで観た一年前はその面影は完全に消滅し、ポストロックやドゥームやサイケといった要素を盛り込んだ尖りまくった狂気を放出していてド肝を抜かれた。
 その当時の曲すら廃棄し生み出された今作は現在のWonderLandの異常さが凝縮された作品になっている。フロントマンのKohey氏が自らレコーディングを進め完全セルフプロデュースで生まれた今作は、全7パートではあるが26分で1曲という大作志向に仕上がっている。



 とこうして書くと「MONOとかmogwai系のポストロックなんだろ?もう掃いて捨てる程いるよ。」って思うかもしれない。しかしそんな考えは完全に裏切られると思う。イントロの出だしのアルペジオこそ「それっぽさ」はあるけど、あくまでも間口を広げるための罠でしか無い。
 美しいアルペジオが徐々に不協和音に変わり、轟音を一瞬だけバーストさせてから、ピアノとギターのクリーントーンの音色が、頭を混乱させる旋律を奏でていく。序盤から既にその兆候を感じさせていた不気味なコードはより明確に姿を表し、無機質に奏でられるピアノも余計に不安にさせる。タイトに叩きつけるドラムとベースが曲の輪郭を保ちながらも、メロディがその輪郭を侵食していく。
 中盤ではトランペットの残響音がファンファーレの様に響くけど、それも余計に心をざわつかせるし、そんな真っ暗でも明るくもない、深夜3時の空気感からディストーションのギターが響いた時はやっと街灯を見つけた気分になる。
 そしてそんな不協和を裏切るのが後半だ。マスロック調だけど、グランジ感のあるギターフレーズと、より力強くなったビートが袋小路から新しい入口を作り出す.。
 完成されているのかされていないのか、ポジティブにもネガティブにも振り切れない燻った感情を描いた様な17分を経てのラスト9分は本当にあっという間だ。
 ビートも整合性を手にし、不協和音を相変わらず奏でながらも爆発するディストーションギターと今作でも特に美麗のメロディを奏でるクリーントーンの対比、前半の17分が様々な楽器を導入し、混乱していく感情を描いているのなら、ラスト9分は3ピースのバンドサウンドで限界に挑む様な力強いリフとビートによる祝福の時間。ラストの轟音が終わった瞬間にやっと心が安らぐだろう。



 極端に難解さに走ってないし、取っ付きやすさもかなりあるけど、今作を通して聴いて感じるのは「居心地の悪さ」と「居場所の無さ」だ。予備知識無しで今作だけ聴くとグランジ要素なんて無いと思う人が殆どだと思うし、轟音系ポストロックのテンプレートを破壊しようとする音だと感じるだろう。
 でもそれは正解だけど違うし、彼らはあらゆる既存のテンプレートに対して唾を吐き、スタイルだけをコピペする事を全否定する道を選んだに過ぎない。ハイプでしかないグランジフォロワーには絶対に生まれないアイデアと音が詰まっているけど、でも今作を聴いて感じる「居心地の悪さ」はオリジナルグランジの先人たちが歌っていた事と同じだ。
 今作には言葉は存在しないけど、その音で同調圧力の無意識の暴力と戦っている様にも見えた。「こんな不気味な音でWonderLandを名乗ってるなんて!!」と思う人もいるかもしれないけど、まだ見ぬWonderLandへとたどり着くまでのテーマソングでもある。
そしてその先のWonderLandが描く世界は本当に想像が出来ない。とんでもない若手が現れたって事だけが事実だ。
 また今作はiTunes Storeにて配信販売の形でリリースされている。こちらのページにてチェックして欲しい。



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