■Extreme East K.55 -二万電圧 5th Anniversary-(2015年10月18日)@東高円寺二万電圧

 旧高円寺20000Vの火災での閉店から東高円寺二万電圧として復活し今月で早5年!旧20000V同様に数多くの激音の夜を生み出してきた二万電圧の五周年企画はジャンルを超えた激音5バンドの激突の夜!!
 しかしながらハコ企画でこれだけ強烈なバンドを集めてしまう辺りは流石は二万電圧といったところで、このメンツがこれから集まることはないんじゃないかっていうプレミアムな夜。僕自身旧20000V時代から大好きなハコでもあるので今回は二万電圧の五周年を祝うために駆けつけさせて頂きました。



・TRIKORONA

 ハナから不条理だけを音にするパワーヴァイオレンスTRIKORONAだ!!
 30分の持ち時間で全12曲、是枝氏の簡単なMC以外はノンストップでショート&ファストなケミカルで毒物だらけのギラギラした爆音ハードコアだけで勝負を仕掛ける。
 服部氏が暴走し続けるドラムで爆撃し、門馬氏はスラップと変態的な動きばっかり繰り返すベースで頭を混乱させ、是枝氏のファズギターがリズム隊が作った歪過ぎるサウンドを更に極彩色にコーティングし、小山氏は散文的な言葉を叫びだけで血の色で塗り潰す。
 パワーヴァイオレンスはこの世に数多く存在するけど、TRIKORONAが鳴らすパワーヴァイオレンスは暴力じゃ無くて、この世の理不尽な不条理をブチ壊す為の不条理であり、これを単なる音の暴力で片付けてはいけないのだ。
 ラストには新曲もプレイしたが、爆音のマッドサイエンティストっぷりはよりパワーアップし、しかしインプロ的なアプローチを取り入れて、不穏な静寂にもならないけど、バーストもしない沸騰寸前のギリギリの感覚で五感が麻痺させられてしまった。ライブ終わったら案の定耳が爆音でやられてしまったが、そこには確かなカタルシスもあった。



・isolate

 続いて爆音の轟音ハードコアを放つisolateだ。
 先日の苔口氏流血ライブは最早伝説になってしまったけど、この日は苔口氏はじめ誰も怪我なく無事に終了する少し落ち着いたライブだったかな?いや落ち着いたってのは嘘だし、isolateの場合は安定したライブのクオリティを保ちながらも、結局はメンバー5人の放出具合は常に限界突破してしまっているのだ。それが平常運転ってだけの話でしかない。
 今回は何処かじっくりとオーディエンスに音を聴かせる感じ(あくまでもいつものisolateと比べて)のライブだったのもあるけど、このバンドは音のバランスが本当に良い。
 安藤氏のボーカルはディストーションかかりまくり、ツインギターの轟音は強烈、苔口氏のベースも邪悪な低音をブチ撒け、池谷氏は鉛の降る様なドラムを展開。だけど全ての音のバランスが良いし、爆音だけど耳に自然と馴染むといった感じだ。
 ラストの「終末」は爆発から最後の最後のツインギターのアルペジオまでドラマティックな世界を生み出し、激と美のバランスに心が震えた。
 今年はライブ中心の活動のisolateだが、来年また更なる激音で全てを凌駕してくれるだろう。東京暗黒重速歪音楽団の二つ名に偽りは無し!!



・REDSHEER

 前日のwombscape企画に続いて二日連続でのREDSHEERである。大好きなバンドのライブを二日連続で観れるなんて幸せだ。
 セット自体は前日と全く変わらなかったけど、この日はテンションが振り切っていた前日のライブとはまた色々とトーンが違って、REDSHEERの魅力である激音の中にある引きの部分が目立ったライブだった。
 頭の「Silence Will Burn」こそテンションが振り切っていたけど、その熱をそのままにプレイした「Blindness」はよりじっくりと聴かせる物であったし、静から激へとバーストする新曲は、激の部分よりも静の部分を際立たせるトーンでプレイされていた。
 ラストの8分間に及ぶダークネスの衝突地点「Curse from Sad Spirit」は前日に比べてより音の色彩が増えていたと思う。3ピースの限界に挑み続けているバンドだからこそ、最小限の音でありったけの情報量と熱量で攻めるライブは何度観ても燃える。だけど、その中で熱情の裏側にある知性がより表現力高くアウトプットされていたのも印象深い。
 前日と感想こそ被ってしまうが、やはりREDSHEERは一筋縄じゃいかない。複雑骨折を繰り返した末に生み出された美しさは人間の複雑で面倒な感情を表現している。ハードコアの先にある誰も触れなかった「何か」にREDSHEERは迫っているのだ。



・BACTERIA

 ノイズとキャッチーさとダンサブルさを今尚提示し続け、フォロワーすら生み出さない孤高の存在BACTERIA。昔から全くブレずに自らのオリジナリティだけで勝負するこのバンドもまた替えの無い存在だ。
 シューゲイズするノイズとダンサブルなビートで序盤からフロアを踊らせまくり、強烈な印象を与えながらも、キャッチーでメロディアス、ノイズギターが疾走する非常にテンションの高いアンサンブルに心躍りながらも、その中にエロスと妖しさをしっかり滲み込ませるからまたドキドキしてしまう。
 中盤にプレイしていた長尺曲は一転して終わりなく繰り返されるシンセの音色と共に悲壮感溢れるメロディとボーカルで悲しみの世界よこんにちは。徐々に徐々に音が浸透し、感性を緩やかに侵していくホワイトノイズと共に、夢の世界にいる様な。でもその世界が終わってしまう様なワンダーランドな虚無感に心がジクジクと痛くなってしまった。
 でもラストはしっかりアッパーに盛り上げてライブは終了。一年振り以上にライブを観たけど、BACTERIAの持つ80年代末期から90年代初頭のロックのロマンは2015年になってもブレずにパワーアップし続けているのである。



・BB

 トリはBB、ここまでの4バンドの強烈すぎるライブに頭は完全にやられてしまってはいたけど、この日はBBが全てを持って行ってしまったと思う。
 二万でのライブは初だったらしいが、BBの音は二万の音響と最高の相性を誇り、ただでさえカオスなヘビィネスがよりカオスな爆音仕様でパワーアップし、楽器隊の音が突き抜けるノイズとして鼓膜にブチ込まれていく。
 ほぼ後光のみの照明がメンバー四人の出で立ちをより神々しくし、赤を基調にした照明はまるでBBの持つダークネスを象徴しているかの様でもあった。
 バキバキに歪みまくったベースも、トライヴァルでありながら馬力が凄まじいドラムも、激昂を音にしたノイジーなギターも全てが塊として投げつけあっれていくのに、不思議とBBの持つダークなメロディが情景として脳内で想起されるのはやはりRyuji氏のボーカルの持つダークなエロスが各楽器の放つ赤黒い音とシンクロし、より深く深く沈んでいく音を生み出しているからだと思う。
 最初から最後までMCは全く無し、その音のみで全てを語り、最後の最後は脱出不可能なヘビィネスの嵐の中で全てを突き放してライブは終了。
 BBはライブを観る度にパワーアップし、想像の斜め上を余裕で超える音だけで観る物を圧倒する。ヘビィロックとハードコアの理想形をBBは毎回見せ付けてくれる。この焦燥と絶望の音はBBにしか到達出来ない領域だ。他では絶対に味わえない。



 5バンドに渡って最高の爆音だけを浴び続ける事が出来た非常に幸福な夜、いつもより女性のお客さんが多くていつもの二万とどこか雰囲気が違ったりもしたけど、二万電圧は誰が来ようと爆音バンドで迎え撃つだけなんだろう。
 改めて二万電圧五周年おめでとうございます。これからも数多くの激音の夜を生み出し続けて欲しい限りです。僕は東高円寺二万電圧が大好きです!!
スポンサーサイト
タグ : ライブレポ

■コメント

■コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

 

プロフィール

AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

タグ別記事表示

日本 ライブレポ 激情系ハードコア アメリカ スラッジ ポストメタル ポストハードコア ポストロック カオティックハードコア ドゥーム エモ オルタナティブロック イギリス サイケ フランス アンビエント ストーナー ネオクラスト ドローン ドイツ シューゲイザー ハードコア ロック グラインドコア プログレ ギターロック ポストブラックメタル インタビュー マスロック ポストパンク デスメタル スウェーデン カナダ モダンへビィネス スラッシュメタル ブラックメタル ギターポップ エクスペリメンタル エレクトロニカ ジャンクロック イタリア インダストリアル ベルギー フューネラルドゥーム グランジ ノルウェー 年間BEST ジェント オーストラリア スペイン アコースティック ポップス プログレッシブメタル ラーメン ブラッケンドハードコア フォーク ミニマル モダンヘビィネス ニューウェイブ パワーヴァイオレンス ロシア ゴシックメタル ハードロック ファストコア ノイズ ニュースクールハードコア フィンランド メタルコア ゴシックドゥーム トリップホップ ヒップホップ 自殺系ブラックメタル オランダ 駄盤珍盤紹介 アブストラクト ノーウェイブ クラウトロック ダブ ヘビィロック パンク ゴシック ダブステップ ノイズコア シンガポール ラトビア ミクスチャー チェコ インディーロック メロディックパンク テクノ ポーランド ドラムンベース ウィッチハウス オルタナティブ アイルランド デンマーク スイス ヘビィネス メキシコ ポジパン ジャズ ヴィジュアル系 アシッドフォーク メタル ブルデス 声優 ボイスCD ドリームポップ トラッドフォーク クラストコア スクリーモ カントリー プリミティブブラック 韓国 ハンガリー アイスランド イラン シンフォニックブラック ギリシャ スコットランド USハードコア ポルトガル ガレージ ソフトロック フリージャズ モダンクラシカル 台湾 トルコ ファンク 

カテゴリー

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード

カウンター