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■TJLA FEST DAY 2(2015年11月15日)@新大久保EARTHDOM

 Tokyo Jupiter Recordと3LAによる新たなる激音フェスことTJLA、今回は笑いと涙と混沌に溢れた二日目のレポとなります。前日に引き続いてのDownfall of GaiaとThe Caution ChildrenとYears Passingに加え、急遽参戦が決まったシカゴの暗黒ドゥームトリオDisrottedの参戦も決定し前日以上に濃密な二日目となった。
 以下はレポの方で詳しく記載はするけど、何度も何度も感動的な瞬間が存在した。何度も涙を浮かべそうになった。きっとそんな感情にさせてくれるイベントなんて他に無いよなって思いながらこれを書いているけど、きっとこの日足を運んだ人にとって絶対に忘れられないイベントになったと思うのだ。



・Disrotted

 ハナから完全に地獄ですシカゴからの陰鬱ドゥームDisrottedです。編成はボーカル・ギター・ドラムのベースレス編成だけど、30分でプレイしたのはたったの1曲だけでした。
 ドラムの人は何故だか頭を抱えて蹲ったりしながら殆どシンバルしか叩いてない事に先ず驚く。地の底からの呻き声の様なボーカルが響く中、輪郭が殆ど崩壊したギターとほぼシンバルとバスドラしか叩かないドラムがアースダムを覆い尽くす。
 ギターの人の合間合間のハウリングノイズの作り方の上手さやほんの少しだけ存在する曲展開がループする音の快楽にも酔わせてくれないし、完全に拷問系ドゥームのそれだった。
 初っ端という事もあって観ている客は残念ながら少なかったけれども、容赦の無い地獄のドゥームサウンドのインパクトにやられてしまった人は多かった筈。



・SeeK

 ここからは国内バンドの出番。先ずは大阪が誇るギターレスツインベース楽団SeeK。孔鴉にNOISE ROOMでの撮影と連日ぶっ通しでのライブという過酷な状況にも関わらず、この日のSeeKの音は非常に完成されていた。
 ツインベース編成になって久しいけど、ここまで「もうギター無くても良いよね。」って思わせる事が出来るバンドってSeeKの他にいない訳で、Nogu氏の6弦ベースが生み出すリフの変幻自在さはより研ぎ澄まされている様に見えた。
 強靭な音は相変わらずだけど、SeeKの音は決してヤクザ的なヴァイオレンスさには行かないのも大きいと僕は思う。鍛え上げた音を丁寧に構築していく事によって異質だけど感動的な音に仕上てくるからだ。
 だからこそSuguru氏の全てを穿く怒号であり美声なあの叫びはSeeKにとって絶対不可欠な物だ。全4曲に渡って何度も何度も魂を揺さぶる叫びと重低音がアースダムを揺らし続けていた。何度観ても腹にも心にもガツンと来るこの音は泣きそうな程に美しいと思うしかないんだ。



・ghostlate

音源は聴いていたけどライブを観るのは今回が初な八王子のポストハードコアバンドghostlate。
 曲を引っ張っていくのはクリーントーンのギターフレーズで激の部分よりもそこの透明感を聴かせるバンドだ。目立つ仕掛けや分かりやすい盛り上がり所がある音楽性じゃ無いから人によっては渋く感じてしまうだろう。
 曲を構成するコード進行も複雑極まりないけど、その瞬間に感じさせるノスタルジーな感傷はライブを観ていて何度もグッと来た。マイクの位置のおかしさから、ライブをしている当人達の色々な暑苦しさも含めてgholateは確かなエモを鳴らしていたんだと僕は受け取った。
 爆音でもゴリゴリの重低音でも無いけど、確かな優しさを感じるメロディの数々に心が締め付けられてしまったな。



・isolate

 東京暗黒重速歪音楽団isolateがやってくれた!!2013年のThe Secret招聘ライブの最終公演のアースダムのisolateは僕の中で伝説のライブになっていて、もうこれは本人たちの実力とか以上の物によるライブだと僕は思っていた。でもそれは大きな勘違いでしか無かった。この日のisolateはあの時のisolateを遂に超えたのだ。
 5人の放つエネルギーと音が完全にドンピシャでハマっていたのも大きかっただろう。TH氏の切り裂く轟音ギターと池谷氏の鉛のドラムが音の基盤を作り、熱情の中で冷静に音を生み出していく。そして岩田&苔口のisolateの狂気担当の二人の気の狂った演奏と音も突き抜けていた。
 そんな楽器隊4人の音に乗る安藤氏は自他共に認めるパーティモンスターっぷりをここぞとばかりに発揮!!合間のMCでは「お前ら速いの好きなんだろ!?重いの好きなんだろ!?」とただでさえ盛り上がっているフロアに更にガソリンを注いでくる。
 isolateのアンセムである「狂う影にあわせて」辺りからフロアのテンションも「いい加減大人しくなんかしていられるかよ!!」ってばかりにサーフにモッシュと異常な盛り上がりへ。
 ラストの「終末」では案の定苔口劇場となり、訓練された客がステージとフロアを仕切る柵に立つ苔口氏の足元をしっかり支えるなんて集団プレイから、綺麗にベース弦を全てブチ切り、エフェクトボードをひっくり返して終了とお見事な物。
 isolateはドス黒さを極めながらも結局は肉体にどこまでも訴えるハードコアだ。圧倒的なフィジカルはDoGにも負けていなかったし、日本のハードコアの意地を見せてくれたからこその伝説のライブとなったのだ。



・The Donor

 そして外タレ枠じゃ無いけど、最早安定の外タレ感すらある石川県金沢が生んだヘビィロックモンスターThe Donorの時間だああああああああああ!!!!!!!
 今回のセットはライブで定番となっているアンセムは勿論、新曲もガンガンプレイしていくという新しいThe Donorを見せるライブとなったけど、新しいThe Donorはシンプルにより強くなったThe Donorだった。
 どんなハコでプレイしても異常なパワーのドラムとギターとベースとボーカル。でもただ強いだけじゃ無いんだこれが。ドラムとベースの音圧の強さはしっかり実が詰まりまくっているからこそ出せる強さであり、縦にも横にも縦横無尽に駆け巡るギターはフットワークこそ軽いのに一発のフックがやはり強烈でしか無い。
 そんな世界陸上に出場する黒人短距離選手の様なパワーとバネのある演奏の締めくくりは「Shine」なんだから本当にずるい。叙情的なんだけど、結局爆音で見えない明日へと爆走するこのアンセムは何度ライブで体験しても勇気づけられる一曲なんだ。
 今回も安定と信頼の外タレ感と爆音ヘビィロックでアースダムを燃やし尽くしたThe Donor、流石である。



・Vampillia

 Years Passingは前日観たのもあったし、その時間は夕食タイムにして、お次は今回のTJLAのお笑い枠というか、やらかし枠というか、散らかし隊なVampilliaパイセンです。今回は吉田氏と竜巻氏のツインドラム編成だけど、なんかギター一人また増えてないか?ステージ上に10人はいたと思う。
 この日はmongoloidが水を自らにぶっかけてステージに登場した時点で嫌な予感しかしなかったけど、そんな嫌な予感は圧倒的な情報量の音の前じゃ完全に無になってしまう。ポストブラックだとかオーケストラだとかゲスだとかゴアだとか何もかもが自然と共存してしまっている異常な事実が目の前にあったのだ。
 吉田&竜巻のツインドラムはやっぱり凄いとしか思えないけど、途中でmongoloidが吉田氏のスティックを奪って自分の頭を叩いて、仕舞いにスティック返せと吉田氏に怒られるなんて謎の寸劇もありつつ、やっぱりこいつらアホやなって気持ちと同時に楽しさが溢れてくる。
 お得意の梯子芸からマイクを通さないで君○代を歌うmongoloidと今回も滅茶苦茶しかしてないけど、二度目の梯子登場でまさかのThe Caution Childrenのデブガキボーカリストのニックがそれによじ登る事態にまで発展。そして梯子の天辺からステージにマイクを向けるニックと、ステージからそれに向かって叫ぶmongoloidというVampilliaとTCCの奇跡のコラボまで実現してしまったのだ。
 今回も期待通りやらかし捲りだったVampilliaだけど、TJLAを良い意味で引っかき回してくれた。



・Downfall of Gaia

 そしてドイツのクラスティポストブラックであるDoGのライブへ。前日にライブを観た時点でその実力の凄さに驚くしか無かったけど、この日で三日連続ライブという過酷な状況にも関わらずより完成されたライブを展開してくるんだから本当に凄いバンドだ。
 セット自体は前日のセットからアンコールの楽曲だけを抜いたセットだったけど、極限まで色々な物が高まっていくのが音に完全に表れており、ストイックに音と向き合っているからこそ到達出来た境地にDoGはいるのだと改めて認識させられる。
 それに何度も言うけどドラムが完全に超人芸の領域に達している。クラストな荒々しさこそ全開だけど、運動量が増えれば増える程に音にパワーとキレが増幅するドラムって最早異次元めいた何かだとしか思えない。
 DoGは獰猛さも繊細さもひっくるめて高い次元でライブを繰り広げていたし、それはバンドの持つキャラクター性みたいな物を完全に排除してしまってはいるけど、地殻変動待ったなしの轟音の連続は余計な感情を完全に殺して来たし、ただただ圧倒されるだけだったのだ…
 余計な仕掛けも感傷的な瞬間も無かったけど、ただ単純に前日よりも更に研ぎ澄ましパワーアップした音だけで圧倒するライブアクト…こんな領域に達してしまっているバンドは他にいないだろう…凄まじいの一言に尽きる。
 そもそもそんなストイックなライブだったにも関わらずDoG辺りで再びダイバーやモッシャーが出てきた辺り、TJLAの客の熱量の高さが垣間見えた気がするよ。あんたら最高だ!!



・The Caution Children

 そんなDoGの圧巻のライブすら霞んでしまうライブをTCCはやらかしてしまったのだ。Vampilliaに触発されたのかされてないのかは知らないけど、前日以上にボーカルのニック君はフリーダム状態へと雪崩れ込む…
 登場時は着ていたジャケットは即脱ぎ捨て、そして前日同様に圧倒的キラキラ轟音が鳴り響く中で、前日以上に挙動不審な動きを繰り返すニック。タイムテーブルの紙を持ってきて出演バンドに感謝の意を伝えたと思ったら、その紙を天井に貼ったり、他のメンバーに貼ったりしているし、他のメンバーに勝手にガムテープ貼り付けたり、自分もガムテープでセルフ目隠ししたりと、既にVampillia以上に意味が分からない事をやってるんですけどそれは。
 メンバーに無茶振りMCさせたりとか、メンバーの服を破ったりとか、前日以上にフロアすらも不審者お散歩したりと、カオスにカオスを極めていくアースダム。演奏面に至っても前日よりも更に完成されているだけあって、そのカオスさは余計に際立つ。
 仕舞いにはギターの人が縁日とかで売ってそうな蛍光の丸めて輪っかにするタイプのペンライト(安っぽい)を客に配りだすし、遊びに来ていたsto cosi cosiのシロウ氏(泥酔)がニックに対して「Let's Go!!」とかって煽りまくり、何故かシロウ氏とニックの間に謎のシンクロニンシティーすら生まれてしまう始末。
 最後の最後にメンバー全員でサーフして大団円かと思ったらアンコールに案の定なって、慌ててストラップを直すギターに対して座ってカウントダウンを始めるニック。お前何様だよ(笑)。
 そして最後の最後は前方でペンライトを振る客に見守られながらTCCは伝説のライブを完遂させてしまった。
 この日のTCCに関しては技術だとか演奏力だとかそういった物を完全に越えてしまっていたとしか言えない。TCCのメンバー5人の持つ人間力が全てだったのだ。
 パフォーマンスは滅茶苦茶極まりなかったけど、でもナードもここまで極めてしまうと最高に格好良いし、良い年してライブハウスに遊びに来ている様な未だに全くうだつの上がらない俺達でも、このキラキラの轟音を浴びている瞬間は無敵なんだ!!って思えるんだ。そういう意味ではニックはナード達のヒーローだし、これもまたハードコアヒーローの一つの形…なのかもしれない(笑)。



 この日もほぼオンタイムで全行程を終え、TJLA FESTは無事に二日間共に大盛況で幕を閉じたのだった。
 個人的には二日間ともソールドアウトだろなんて思っていたから、ソールドしなかったのは「なんでや!?」とはなったけど、それでも二日間で本当に多くのお客さんが集まったし、日本の激音シーンはまだまだ未来があるんじゃないかって思わせてくれるイベントになっただろう。
 TJRのキミさんと3LAの水谷さんが今回のTJLA開催までに重ねてきた苦労って僕なんかじゃ想像も出来ないし、開催に至るまでの道のりは大変な物だったと思います。改めてTJRキミさんと3LA水谷さんに大きな感謝とリスペクトを。
 そして今回日本の地を踏んだDoGとTCCとYears PassingとDirotted、各地から参戦した素晴らしき国内バンドにも感謝とリスペクトを。
 TJLA FESTは来年も是非とも開催して欲しいし、日本の激音イベントの新たなるスタンダードとして大きくなって欲しいと僕は願う。熱き男たちの今じゃ無くて明日の為の戦いはまだ始まったばかりだ。
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