■ Morgana presents(2016年1月23日)@国分寺Morgana
・Predator
ギリギリでMorganaに到着。丁度一番手のPredatorのライブが始まっていた。ちゃんとライブを観るのは大分久々な若手2ピーストラッシュデュオであるが、前に観た時よりも更にファスト&ショートなスタイルに。
MC全く無し、ライブも15分やってるか怪しいレベルの嵐の様なライブ展開だったが、ひたすら速さだけを追求し、グラインドかつトラッシュさだけで攻めるスタイルは無骨であり男らし過ぎる程にド直球な美学を追求し過ぎた末の爆音の衝動。
この日の出演バンドの中では一番若手なバンドではあったが、ハナから堂々と自らの音を放ち、Morganaの熱を良い感じで高めてくれたのだった。
・ZENANDS GOTS
こちらもライブを観るのは久々なゼナンズ。ベースレス2ピース煉獄グラインドな彼らだけど、彼らは最早2ピースの究極系を体現しているバンドだと改めて実感させられた。
田中氏のドラムは荒々しさを最大の武器にしており、爆発的音量で繰り出されるブラストビートの土石流にはライブを観る度に押し潰されてしまう。
それに加えて千葉氏の混沌だけじゃなく確かにメロディアスなギターも見逃せない。ライブのテンションこそ沸点をとうに超えてはしまっているが、ただ我武者羅で破滅的なだけじゃ無い魅力がゼナンズのライブはある。
ラストの「赤い月」の叙情的美しさとそれでも衰えない破滅感はゼナンズを象徴していた。最後の最後には千葉氏が思い切りマイクスタンドを蹴り飛ばしていたのも含めて最高に痺れた!!
・TRIKORONA
ファスト&グラインドな2バンドが熱気を高めてからのTRIKORONAだ!!今回はギターの是枝氏がテルミンを取り入れて今後のTRIKORONAを一足早くお披露目なライブになった。
門馬氏もベースがXL-2のヘッドレスベースになっていたけど、より魅せるステージングをするバンドへとTRIKORONAは変わりつつある。
小山氏の散文的吐き捨てボーカルも服部氏のヴァイオレンスなドラムも絶好調。是枝氏が勢い余って右手から流血したり、門馬氏が靴でベースをブッ叩いたりなんかもあったけど、メンバーそれぞれのアクションがロックスター感とメジャー感を押し出し、それでもファジーなパワーヴァイオレンスはキメキメで天井知らず。
今年はライブも前以上に精力的になっていると思うし、彼らが提示する独自のパワーヴァイオレンスは更に予想の斜め上を行くだろう!!
・SeeK
速いバンドばかり集結した今回のイベントで唯一ミドルテンポからカオティック&ポストメタルな音を放つツインベース&ギターレス重音楽団SeeK!!店企画で大阪の最終兵器バンドが出演してしまっているのが先ず凄い。
今年はアルバムリリースに向けて活動を進めているらしいSeeKだが、ラストにプレイした新曲含め、現編成でのSeeKはいよいよ完全な形で羽化しようとしているのを目の当たりにさせられるライブだった。
後光のみの照明も含め、音とステージ上の光景から神々しさを感じる物になり、ヘビィなリフとインダストリアルさすらあるドラムによる無慈悲な重低音からSuguru氏の美しき怒号までドンピシャで迫ってくるカタルシスも相当な物!!
今回のイベントの中ではある意味異色の存在だと感じた人も多いかもしれないけど、ただでさえ他のバンドも異質なバンドばかりであるし、SeeKはどんな場所でライブをしてもSeeKでしかない。早くアルバムを聴きたいし、近々リリースされるであろうアルバムは日本のハードコア・ヘビィロックの歴史を更新する凄まじい物になるだろう。
・Red Ran Amber
そしてトリは国内最強グラインドコアバンドだと信じて疑わないRRAだ!!ex.屍の関根氏が加入してからのRRAは最強でしか無い事はライブを目撃した人なら分かると思うが、ライブを重ねる度にこのバンドは進化しかしておらず、もっと言えば毎回のライブが常に最高新記録であり続ける化け物なのだ。
RRAのライブのオープニングはこの曲しか考えられない「硝子のシャワー」からいつも通り始まり、そしていつも通り強烈なる閃光を放つだけ。たったそれだけが全てを掻っ攫ってしまう。
木村氏の爆音を物ともしない魂の叫び、三科氏のカマイタチの様な切り裂くギター、関根氏の鬼のフィンガーピンキングが生み出す地獄の重低音、そして天野氏の破裂音と発狂のブラストビート、全員が超絶技巧のスペシャリストだが、技術だけのバンドには生み出せない発狂と怒りの美学。4人の声と音が生み出す美しき流線型。今のRRAは全てが完璧だ。
この日は他のバンドも勿論素晴らしかったが、やはりRRAが全てを持っていったのだ!!
Morganaのブッキングイベントでありながら、他のバンド企画や自主企画に負けない素晴らしいイベントであった。音楽は勿論だけど、Spice Addictsのアディチキトルティーヤに舌鼓を打ち、21時には全プログラムが終了したので、その後はMorganaでゆっくりとお酒を堪能したりと、客として存分に楽しめたイベントだった。
国分寺Morganaは西東京のライブハウスだし、人によっては少し遠く感じる人も多いかもしれないけど、言っても新宿から中央線で一本で割と直ぐに足を運べるし、音響もうるさい音楽を最大限に生かせる素晴らしい物だし、お酒も安いし、ドリンクのお姉さんは可愛いしと良い所しか無いハコだ。勿論出演バンドも毎回良いバンドばかりである。
もし機会があれば是非とも国分寺Morganaへと少しでも多くの人に足を運んで欲しいと思う。西東京ローカルだからこその最高のライブハウスだから!!