■REDSHEER presents “GRAY WORLD Vol.4”

 昨年4月から開催されているREDSHEER主催による激音集会「GRAY WORLD」。第四夜となった今回は日本が世界に誇るオールドスクールデスメタルCoffins、大阪が世界に誇るエモヴァイオレンス最高峰STUBBORN FATHERを迎えての三つ巴のガチンコ勝負!!
 毎回ラスボス級のバンドのみが参戦する「GRAY WORLD」だが、今回の3マンは「GRAY WORLD」史上最もスリリングで緊迫感の溢れた夜になった。



・Coffins

 カチコミ一番手から世界レベルのデスメタルことCoffinsだ。Atake氏(Weepray、Super Structure)が加入してからのライブを観るのはこれが二度目だけど、是枝氏在籍時代と全然違うバンドになっているのは明らかであり、音の重さがより増しているのだ。
 是枝氏のプレイスタイルが飛び道具的なスタイルだったのに反し、Atake氏はより重さを追求するベーススタイル。初っ端から重低音が腹の奥を抉りに抉ってくる。
 Uchino氏のギターは毎回そうだけど、バイクのエンジン音の様なディストーションを炸裂させ、技術だけでは絶対に生み出せない音の重さとロック感をシンプルなギタープレイで生み出し、Satoshi氏のタイトで乾いたドラムは遅いドゥームパートでも速い疾走パートでも荒涼としたビートを変わらず打ち出し、サグい空気感を生み出す。Tokita氏のボーカルは加入当時とは見違える程にパワーアップを重ね、吐き捨てる声による毒々しさは今のCoffinsには必要不可欠な物。
 40分全7曲のセットだったが、ラストはアンセムとしてお馴染みの「Evil Infection」でバッチリ締め!!サビのパートでAtake氏がベースを弾くのを放棄し、マイクスタンドをフロアに向け、フロアの人々がマイクに向かって「Evil Infection!!」と叫んでいる光景は見ていて胸が熱くなった。
 今のCoffinsはより攻めの姿勢になり、更に強靭なバンドへと進化を続けている。世界を震わせる本物のデスメタルだ!!



・STUBBORN FATHER

 バンド史上初の40分のロングセットで挑む大阪が世界に誇るスタボンも負けじと新境地を見せつける圧巻のライブを展開してくれた!!
 一曲目から鬼に金棒なANODEカバー「隠された太陽」で一気にヒートアップさせるここ最近のライブで一番攻撃的なオープニングで始まったが、今回披露された新曲2曲が兎に角ヤバい!!
 「痣」や「裏側」でバンドの新境地を見せつけたけど、その先を行く不穏さとアーティスティックさはスタボンが更に孤高の存在へと高まっていくのを感じ、既に名曲確定な必殺の2曲!Dビートを取り入れながら、ストップ&ゴーな変則的ビートと、クリーンで際立つメロディの不気味さ、時折入り込むギロチンの様なギター、よりおぞましく展開される大妖怪による既存のエモヴァイオレンスから逸脱しまくった新曲には震えが止まらなかった!!
 終盤は「裏側」、「痣」、「創造の山」と必殺の3曲で一瞬で駆け巡るライブとなり、バンドの演奏も最高潮へ!!全ての音が切れ味鋭く、Shige氏の叫びと言葉が隠された闇を暴いていくどこまでもリアルでブレないハードコアがそこにはあった。
 新曲は今後リリースされるであろう新作に収録されるだろうし、他の新曲を含めて今から楽しみでしかないが、今年で結成17年を迎えながらも、老害にも聖域にもならず、常に全身全霊の音だけを放つスタボンはリアルなハードコアヒーローだ。ANODEの遺志を受け継いだのバンドだからこそ、ANODEが墜落した今でもスタボンはANODEとは違うリアルを描き続けている。



・REDSHEER

 トリは主催のREDSHEER。事前には40分セットとアナウンスされていたが、まさかの全9曲に渡る50分セットの完全燃焼ライブとなった。
 今回のライブはREDSHEERのこれまでを総括した上で、これからへと繋がる音を提示する場になったと思う。一曲目にこれをプレイされたら燃え上がるしかない「Silence Will Burn」の激昂と混沌から「Blindness」のエモーション、「In A Coma」の淀む半透明の音色からの爆発、「Yoru No Sotogawa」の刻み付けるリフと変則リズムでありながら疾走する爆裂感。序盤から破滅に向かって爆走を続ける。
 中盤ではここ最近プレイしている2曲の新曲をプレイ。特に「SIGH」はREDSHEERが早くも新境地へと達した名曲となっており、昨年7月の第二回の「GRAY WORLD」で初披露した時よりもずっとパワーアップを果たし、序盤のドープなクリーンパートからメタリックな泣きと共に絶望的なまでの痛々しさを黒々しく重ねていく展開には圧倒されるだけだ。
 終盤は「The End, Rise Above」のジャンクロックとエモの衝突地点からの美しきアルペジオと刻むリフによる激情。「Curse from Sad Spirit」からの「Gloom」という地獄によって終了。バンドの演奏のテンションはこれまで何度も観てきたライブの中でも最高レベルになり、初ライブから二年にして早くも到達した円熟の領域、でもそこには絶対に留まらない覚悟。その全てを感じる最高の物となった!!
 REDSHEERはまだまだ完成なんかさせずに、更なる高みへと飛び立っていくだろう。



 どのバンドが一番良かったなんて話が野暮な位に全3バンドがただ一言「ヤバい!!」以外の言葉しか出て来ない圧倒的なライブを展開し、勝ち負け云々以上の熱さを見せてくれた。
 この日の都内エクストリームミュージックはこれまで以上に熱いライブの被りが多かったが、僕はこの日二万電圧を選んで良かったと心から思う。
 次回の「GRAY WORLD」は5/21に場所は同じく東高円寺二万電圧で開催される予定だ。出演はREDSHEERに加え、BB、Hellchild、NoLAと正に最終決戦と呼ぶに相応しい一夜。今からスケジュールを空けておくべきだ!!
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