■小野(DEAD INFIELD/CRUCEM) presents "YOU GIVE ME ALL I NEED vol.3"(2016年3月4日)@西荻窪Pitbar
スタートも20時で4バンドと金曜の仕事終わりの夜にこうしてフラッと遊びに行けるイベントは音楽好きとしてうれしい限り。僕も仕事を終えてからその足で西荻窪の方へと向かったのでありました。
・アハト・アハト
主催の小野氏の挨拶からトップバッターのアハト・アハトのライブがスタート。今回のイベントはO.G.D以外は全部初見のバンドばかりではあったけど、このアハト・アハトは僕としてはかなりストライクなバンドだった。
音楽性は北海道エモの正統派継承者といった所だが、先人の模倣では無く、しっかりと独自のセンスを提示している所はかなりポイントが高かった。
顔芸を決めながらパワフルなドラムを叩くドラムもギターの音が兎に角良いのもかなり好印象。絶妙にポストハードコアな味付けを施しつつ、クリアさと歪みの狭間を擦りぬけるメロディの良さ。観ていて何度もグッと来る瞬間があり、今後もチェックしていきたいと心から思わせられるバンドだった。
・ZAKURERO
お次も初見のZAKURERO。タトゥーが入りまくった気合の入った弦楽器隊のお二人(どうやら兄弟らしい)のルックスのインパクトがまず強かったけど、鳴らす音は今時珍しい位のド直球ストレートなパンクサウンド!!
とにかくパワフル!とにかく速い!とにかくキャッチーとど真ん中に剛速球を投げ込む男気溢れる音はルックスを裏切らない豪快さがあり、フロントの弦楽器隊のお二人はフロアへと何度も飛び出すアグレッシブなパフォーマンスを魅せる。
そんな厳ついルックスとは裏腹にMCでは気さくな兄貴って感じの真摯さも感じ、そこもまた好印象。合間合間にMCを挟みながらも、曲はノンストップで演奏されており、頭からラストまで男気全開で繰り出されたストレートなパンクロックは観ていて熱くなった。
・O.G.D
その勢いのままに東東京のグラインド番長ことO.G.Dのアクトへ雪崩込んだけど、この日のO.G.Dはなんか色々と持って行ってしまった感がある。ボーカルの皆川氏が最早milkcowのツルさんよろしくなパフォーマンスで魅せに魅せてくれた。
相変わらずダーティなグラインドサウンドが響き渡る中で、フロアを縦横無尽に歩き回り、主催の小野氏にマイクを渡して叫ばせたと思ったら、それで終わらずフロア中の人にマイクを渡して叫ばせて、自分は腕をグルグルさせて暴れていたりと自由すぎるパフォーマンスを展開。
果てはPitbarスタッフの女の子に叫ばせていたり、ZAKUREROのお客さんの女の子にマイクを渡そうとして怖がられていたりと爆笑の連続。観客強制参加型グラインドコアが展開されていたのだ。
バンドとしてのライブのクオリティ以上にハチャメチャさでピースフルな空気を生み出していたO.G.Dはやはり持っているバンドだなと改めて実感する楽しいライブだった。
・DEAD INFIELD
トリは主催の小野氏がギターを弾くDEAD INFIELD。こちらも今回初見のバンドでした。
音楽性はとにかく速いしメンバー全員が暴れまわるファストなハードコア!!ボーカルの人がジーンズの社会の窓にマイクのコードを通していただけで笑ってしまったけど、小野氏がMCしている時にポテチを食い出したりとO.G.Dに負けず劣らず自由なライブ。
ベースの方のオラオラ感全開のパフォーマンス、とにかく跳ねる小野氏、自由過ぎるボーカル、唯一普通な感じだったドラムの方と観ていてなんのこっちゃなカオスな4人がひたすら速いハードコアを展開。お行儀の良いまとまりなんて必要無いと言わんばかりのライブは小野氏のMCのグダグダさと相反して突き刺すビートと刻みがフリーダムへと駆け巡るスラッシュさ!!キャッチーでシンガロング必須なハッピーな空気は華金の空気と相乗効果を生み出し本当に幸せな気持ちにさせられました。
全4バンドでサクッと終わる感じの華金イベントではあったが、美味しいお酒を飲みながら最高に楽しくなれるうるさい音楽を堪能した夜となりました。
個人的にはアハト・アハトが本当にツボで物販で音源の方も買わせて頂いたが、こうして新しい音楽との出会いがあるのも、こうしたイベントの良い所だよなって思う次第であったのだ。
何にせよ楽しい華金を過ごさせてもらったのだ。