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■WonderLand tour finale [Re:release](2016年3月5日)@三軒茶屋HEAVEN'S DOOR

 2月に初の関西・東海ツアーを敢行した新たなるオルタナティブロックを提示する開放の3ピースであるWonderLand、そのツアーのファイナルはホームであるヘブンズにて美しき轟音バンドを集めた不法集会を開催。WonderLandという異形の3ピースと呼応するこれまた異形のバンドばかりが集結した夜になった。

「拘束具は外れたのか。まさか新調したことに気付かぬ
ということもあるまい。」
漂音世界においては、人々はもはや単なる媒質となり、
眺める者は揺蕩う者へと回帰する。
彼岸にて主客は一致し、そして、その地に至りて初めて
判断の拘束から解放されるであろう。
限りなき自由な魂の解放。


 こんな意味深で挑発的な一文がヘブンズのライブインフォには書かれていたが、WonderLandが目指すのは新たなる解放であり、カテゴライズの奴隷と化してしまった現在の音楽に対する戦いでもあるのだ。だからこそこの日のライブは彼らにとって本当に大きな意味を持つライブとなると思い今回その瞬間を目撃させて頂く事にした。



・Ry

 今回初見のRy(読みはライらしい)は個人的にかなり掘り出し物なバンドだった。音楽性はアコギ主体の3ピースの歌物のポストロックなのだけど、アコギが持つ響きの豊かな色彩を生かしたオーガニックで優しい音色。ライブが進むにつれて惚れ惚れとする。
アコギという全く誤魔化しの効かない楽器を使っているからこそ一音一音の繊細な響きがダイレクトに伝わり、リズム隊の安定感のある演奏がより悠久の時間を生み出していく。
 単なる癒し系なチルな音楽だと思ったら大間違いであり、時には激昂のメロディを熱く奏でていたのも非常に印象深い所だった。シンプルさから生み出される深遠さをRyの音楽から感じたし、この深みは聴けば聴く程に虜にされてしまうだろう。
 終始美しいアコギの音が響き渡り、心が豊かになる歌を歌い上げていたRyは確かなポピュラーさを軸にしながら広大に広がる音の世界を展開していた。これは沁みたね。



・Presence of Soul

 昨年リリースした3rdアルバム「All Creation Mourns」も絶好調なPoS。相変わらずエグい機材の量に笑ってしまうけど、今回のライブは更なる進化を提示するライブだった。
 冒頭ではいきなりYuki嬢が激情の叫びを聴かせる楽曲から始まりド肝を抜かれた。世界レベルのバンドとして名高いPoSは単なる轟音バンドでは終わらないおぞましいヘビィさを持っている。トリプルギターの凶悪な轟音は五臓六腑を破壊する強烈な物。
 楽曲がかなり作りこまれているのもあるけど、ダイナミックな轟音で殺しに来る音を放っているにも関わらず、音の繊細な流れやきめ細やかさもPoSには存在し、その二極性がPoSの大きな魅力である。殺傷力も神秘的な美しさも彼女たちの音楽には絶対不可欠な物となっている。
 ラストにプレイされた「circulation」は何度ライブで聴いてもその神々しさに涙を流してしまいそうになる名曲であり、Yuki嬢の歌声は救いの様に響き、ドス黒い闇を描いた先にある確かな光を見事に表現している。それはVJを使っているからとかでは無く、PoSの鳴らす音の視覚的表現の豊かさが成せる技なのだ。
 毎回毎回ライブの完成度は高いPoSであるけど、今回のライブも世界レベルのバンドとしての力量を見事に発揮した素晴らしい物であった。



・shuhari

 トリ前は久々にライブを拝見させて頂く事になったshuhari。このバンドも3ピースとは思えない機材の量に笑ってしまう。
 しかしながらshuhariの音楽はどこまでも想像をさせる物だと僕は思う。MayBeSheWill辺りのポストロックを3ピースで奏でているけど、それらの音楽のテンプレートを焼き直した物では無く、独自のオーガニックさへと変貌させた物へと仕上げており、それはよりオーガニックでアンビエントでシャープなアンサンブルが生み出す異常なまでの精度の高さから来ている物だ。それぞれのパートの演奏はそれこそお手本レベルの理想的な演奏力と表現力を持っている。
 流れていく清流のクリーントーンの音色、歪すら歪と感じさせない美しさは演奏の熱量が上がれば上がる程にその効力が高まり、リリカルさが渦巻く陶酔世界へ!!
 久々にライブをチェックしたがその実力はやはり間違いなし!!純粋さを極めた音だからこそ彼らの音楽には言葉が無い。その音で全てを語るのだ。



・WonderLand

 そして主催のWonderLandはこれまで観た彼らのライブの中でも集大成とも言える圧巻のライブでこの日のイベントを見事に締めくくってくれた。
 今回もプレイされたのは30分近くに及ぶ大曲「The Consciousness Of Internal Time And Space」ではあるが、この曲はライブを重ねる毎にアレンジも大きく変わり、バンドの進化と共に曲の方も進化を重ねていったが、今回ライブで披露された「The Consciousness Of Internal Time And Space」は音源とは完全に別物と言っても過言ではない、新たなる世界の創造であった。
 3ピースというフォーマットでありながら、キーボード・マック・トランペット・幾重にも重ねられるギター、音源には入っていない新しい音も加えられ、軽く触れただけではポストロックなフォーマットの言葉と歌に頼らない音楽ではあるけど、不気味に重なっていく不協和音は吐きそうなまでに不条理を突きつけられる気分になってしまう。
 冒頭のイントロダクションこそ美しい旋律で始まるけど、そのギターの音すらハイファイさとは無縁の澱んだ響きを持っているし、乱打されるキーボードや不意に遮断される楽曲、トランペットの地の底から響いてくる様な残響、あらゆる音が織り成すドン底への道しるべは、まるで人間の無力さを嘆く絶望的な世界観。
 そんな楽曲の前半パートから開放を作り出す終盤のパートは凄まじいカタルシスを描き出していく。パワフルさも加わったドラムはバンドの肉体的底力を底上げし、印象的なアルペジオのフレーズがループする中で重なっていく轟音。音源には無い新しいラストパートまで加わり、実に40分近くの楽曲にまでなった「The Consciousness Of Internal Time And Space」はラストの誰にも邪魔されず、誰にも縛られない音が渦は正に自由な魂の解放と呼べる物だった。
 アンコールに応えて最後の最後で封印されていた過去の楽曲をプレイしていたが、現在の音楽性とまた違う過去の楽曲も既に異形の領域の物にはなっていたが、だがそれすら過渡期だと感じさせてしまう程に今のWonderLandはカテゴライズ不可能な新たなるオルタナティブを提示している。ジャンルやスタイルといった言葉から解放されたWonderLandだからこそ、彼らは今こそ新たな音楽を描いているのだ。



 今回のWonderLand企画はハタから見たらポストロック系のイベントなのかもしれないけど、出演バンドのどれもがその様なカテゴライズを否定するバンドばかりであり、主催のWonderLandは特にカテゴライズ無用のオルタナティブの先を見せつけるライブを繰り広げていた。
 WonderLandは知名度的にはまだまだなバンドかもしれないが、今後その名前を全国に広めると確信している。彼らは3ピースの限界に挑みながら新たなる解放を目指し続けているのだ。
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