■SWARRRM 20th anniversary special edition "20year chaos" Release GIG(2016年5月4日)@新大久保EARTHDOM

 神戸が日本に誇るカオティックグラインドことSWARRRM が今年で結成20周年を迎える!!それを記念した編集盤が今回3LAからのリリースが決定し歓喜の声を上げた人も多い筈だ。編集盤のリリースは少し先であるが、今回はSWARRRM の20周年を祝福するメモリアルなライブであり、各地からジャンル問わずに猛者が集結しGWを爆音で染め上げた。
 全7バンドに及ぶ狂騒の宴にこれまで類を見ない程の人がアースダムに集結!!この日本にもまだまだ激音フリークスの変態達が多数いるって事は本当に嬉しい。そんな変態達と激音バンドが繰り広げた記憶に焼き付く一夜の記録をここに記す。



・SELF DECONSTRUCTION

 初っ端からグラインドとパワーヴァイオレンスの狭間を狙い撃ちする神出鬼没の3人組セルコンからスタートだ。
 先日は韓国もライブを行い、日々とんでもない本数のライブをこなす彼女たちだけど、ゴスロリ男の娘ギタリスト葛葉氏の独創的なフレーズが繰り出すカオスの中で屈強なドラムと女性らしかぬタフネス溢れるボーカルの三位一体アタック!!
 曲間全く無しのメドレー状態で恐らく20曲以上はプレイしていたが、最初から最後まで途切れぬテンションを保ちながら爆走しまくるエネルギーこそセルコンのライブの魅力だろう。
 ライブ自体は以前より長くプレイするようになったが(言っても20分とかではあるけど)、その20分間でどれだけ突き抜けられるかというセルコンの短距離走型グラインドヴァイオレンスは今回の狂宴のスタートにピッタリだった。



・Super Structure

 お次も短距離走型パワーヴァイオレンスなSuper Structure!!今回の面子の中ではかなり浮いているバンドかもしれなかったけど、この面子の中に「敢えての」Super Structureだと思う。
 そもそも通り魔の様に各地のライブに現れてはピットを荒らすだけ荒らして帰るSuper Structureにはホームだとかアウェイは関係無い。この日もピットを荒らしまくって帰っただけだ。
 今回はフル編成のライブでは無かったが、そこら辺も愉快犯なこのバンドには関係無し!!いつもより長めなセット(15分)ではあったが、結局不協和音と暴走とビートダウンで凶悪な音を放つだけでしか無い。その潔いハチャメチャさこそ彼らがフロアを揺らす確かな理由になるのだろう。
 この日もピットは荒れに荒れまくり、腕グルグルニキ大量発生という治安の悪さだったが、このバンドはグラインドとかファストコアとかそっちの方面の人にも是非とも聴いて欲しいと改めて思った。「腕グルグルバンドかー。」って甘く見ていたら駄目なのだ!!彼らのライブを観たら最後、貴方も荒れるピットの一部になるしかないのだから。



・sekien

 今回はSWARRRMのレコ発ではあるが先日3LAから1stアルバムがリリースされた姫路シティハードコア代表sekienの実質レコ発東京編でもあるのだ。そんな1stアルバムも絶好調で先日のKhmerと殺り合ったライブでも凄まじいテンションをブチかましていたsekienはこの日も絶好調!!
 アルバムの曲は早くもアルバム以上の熱気を放ち、人間離れしたアグレッシブさで攻めのライブを展開する。sekienのライブは特にドラムのビートの疾走感とパワフルさが他のバンドと段違いで、そんなドラムに引っ張られながらフロントの弦楽器二人の熱気も増幅していくという人間臭くありながら、同時にライブの中で三つの熱気がぶつかり合って加速していく化学反応が生まれるのだ。そのライブ感こそsekienが提示するハードコアパンクなのだ。
 勿論ネオクラストやブラッケンドクラストに対する熱い拘りとリスペクトを感じる楽曲たちはハードコアの枠に囚われないアプローチを繰り出す。でもそれを抜きにしてsekienはあくまでもハードコアパンクだ。余計な講釈や能書きはこのバンドには必要無く、怒りの篭ったハードコア特有の迸る魂を爆発させる力が全てだ。
 この日はいつもより曲も多くプレイし、アルバムの曲は大体プレイしていたが、最初から最後まで観る者の魂を震わせるライブを展開!!本物のライブバンドことsekienの「姫路舐めんじゃねえぞ!!」な気合がガンガン出まくりな最高のライブだった!!



・Twolow

 4人編成になってからも絶好調!!オルタナティブサイドからヘビィネスを提示するTwolowだ。ここまで爆走バンドが3バンド続いたが、イベントのど真ん中で激渋オルタナを鳴らすTwolowとは何とも粋じゃないか!!
 前々から演奏力には定評のあるバンドではあったが、4人になってからのtwolowは単純に音圧が上がったとかそういう物では無く、4人になったからこそグルーブの幅がより広がったサウンドを展開している。アーリー90sなグランジやオルタナティブロックのサウンドを鳴らしつつも、具体的にこれっていう形容がし難い独特の感触は4人になって更に磨きがかかった。
 ガッツリとバンドのアンサンブルを支える塚本・亀井のリズム隊の安定感と太さは相変わらず、そこのアグレッシブにリフを刻む水谷・ワタナベのギター隊の音が乗り、ミドルテンポでダークな音を鳴らしながら、その中で光るアグレッシブな猛禽さ、タフネスもより高まりを見せている。
 終盤はバンドのアンサンブルも乗りに乗りまくっており、ただでさえ技術レベルの高い4人の音が一体となって降り注ぐカタルシスが襲いかかり、その瞬間は鳴らすサウンドとは裏腹にとんでもない絶頂が存在した。
 それぞれのキャリアもあるが、若きギタリストが加入したTwolowのヘビィネスとグルーブは今後もよりパワーアップを続けるに違いない筈!!



・isolate

 今年はあんまりライブをやっていないisolateの久々のライブだが、ブランクは全く感じさせないいつも通りの圧巻の激情を放つライブを繰り出してくれた。
 この日は下手ギターのIwata氏はお休み、代わりにGraupelのKakimoto氏をサポートに迎えてのライブだったが、ライブ前に憧れのSWARRRMへのリスペクトをAndo氏が口にしてからライブはスタート。編成こそ完全では無かったが、SWARRRMを前にしてその背中を追いかけた世代の意地を見せてくれた。
 特に新曲とかをプレイしたセットでは無かったが、いきなり「終末」から始まり、合間にMCこそあったが、それ以外は轟音に次ぐ轟音を繰り出し、異常な熱気を放つ他のバンドに触発されたのか、初っ端からギアは全開!!
 終盤にはアンセム「狂う影にあわせて」を盛り込みながら、怒涛の勢いだけで突っ走るブラストと轟音!!サポートであるKakimoto氏はギターを携えながらフロアへサーフし、Kokeguchi氏は最後はやっぱりベース弦を全部ブチ切っての暗黒舞踏。
 今後ライブで披露されるであろう新曲も非常に楽しみだが、現在進行形で他に類を見ない激高の音をisolateは放ち、憧れのSWARRRMへと確かにバトンを託したのだ。



・SWARRRM

 トリ前は本日の主役のSWARRRM。やっぱりトリじゃないのねとは思ったが、isolateからのバトンをしっかりと受け取り自らの20年を祝う20分間が始まった。
 SWARRRMは大阪では何度もライブは観ていたけど、東京で観るのは初めてという事もあり、東京ではどんなライブを繰り出すのか凄く楽しみであったが、結論から言うと20周年とか東京でのライブだとかは関係無く、あくまでいつも通りのSWARRRMのライブをしただけだ。
 上半身裸で化物みたいな声を放つツカサ氏はいつもよりもアグレッシブに前に出ていた気もするけど、楽器隊はあくまでも地に足を付けた演奏。セットも昔の曲中心かと予想していたが最新アルバム「FLOWER」の楽曲をはじめ最新の曲中心のセットで勝負していた。
 編集盤のリリースという事もあったから過去の曲ももうちょっと聴きたかったっていう我侭な気持ちもありつつ、もっと長くライブやって欲しかったって感情もあったが、20周年だろうとなんだろうと浮き足立たせないでいつも通りのライブをするというSWARRRMのライブは流石であり、ソリッドなアンサンブルとツカサ氏の怒号が繰り広げる混沌に身を任せるだけに過ぎない。
 20年に渡ってメンバーチェンジ等もありながらも継続を続ける力、積み重ねた混沌に懐古するのでは無く、それを糧に新たな混沌を生み出すSWARRRMに拍手喝采!!



・STUBBORN FATHER

 だがこの日の全てをかっさらったのは今年で結成17年!!大阪のハードコアシーンで何処にも属さず誰にも媚びずにブレ無い精神を貫くハードコアことスタボンだったと僕は思う。
 持ち込みの蛍光照明がステージを照らす中、「裏側」の自動音声のSEが流れた瞬間に一気に張り詰める空気、ボーカルshige氏の顔こそ見えないけど、顔の無い妖怪が放つ言葉と叫び、絶頂の瞬間だけを切り取った楽器隊の演奏が濁流となって襲う瞬間に本気で体内の血液が沸騰して蒸発しそうになる感覚に襲われた。
 序盤から「裏側」、「創造の山」と必殺の2曲を繰り出し、フロアの熱気を最高潮まで持っていったが、2月のREDSHEER企画で初披露となった新曲2曲がやはり凄まじい出来になっている。
 スタボンの持ち味である爆発の瞬間を切り取ったカタルシスは勿論存在するが、これまでの楽曲以上にクリーントーンの不気味さと不条理さも磨かれ、最早既存のハードコアで例えに出せるバンドなんて一個もありゃしないのだが、どこを聴いてもスタボンの全くブレ無いハードコアになっているから本当に凄い。
 ラストに繰り出した大名曲「痣」は本当に全てを持っていた。超展開に次ぐ超展開が目まぐるしく繰り出されながら、ドラマティックにドメスティックに限界突破を繰り広げる音の洪水。
 個人的に凄く印象的だったのはshige氏が曲間の「吐かせて示す」という歌詞のラインの時にマイクスタンドをフロアに向けたシーンだ。もしかしたら別に何の意図も無かったのかもしれないが、フロアが一斉に「吐かせて示す!!!!!」と叫んだ瞬間がこの日のハイライトだった。孤高の存在であるスタボンがこの瞬間だけはフロアと共に存在していた。何か今思い出しても泣きそうになるよ。
 最後の最後はshige氏が設置された蛍光照明を足でなぎ倒して袖へと消えてライブは終了。アンコールこそ無かったが、全5曲の貫神の精神としてのハードコア。SWARRRMすら食ってしまっていたスタボンのこの日のライブを観れなかった人は本当に後悔してもしきれないと思うよ!!



 ジャンルやキャリアこそ違えどこの日の7バンドに及ぶ激音のドキュメントを観て思ったのは何よりも続けて来たからこそ生み出せる物が存在するという事だ。
 SWARRRMもそうだけど20年に渡って続くバンドなんて本当に少ない。だけど形こそ変われど続ける人、続くバンドがある。具体的な順位や数字でなんか表せやしない、観た人の数だけ感じるものがある。それこそがエクストリームミュージックの一番の魅力だと僕はこの日再確認した。
 SWARRRM改めて20周年おめでとうございます。SWARRRMはじめ、この日の出演バンド各位や3LAや色々なバンドや人たちがこれからもずっと続いていく事を祈ってます。
スポンサーサイト
タグ : ライブレポ

■コメント

■コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

 

プロフィール

AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

タグ別記事表示

日本 ライブレポ 激情系ハードコア アメリカ スラッジ ポストメタル ポストハードコア ポストロック カオティックハードコア ドゥーム エモ オルタナティブロック イギリス サイケ フランス アンビエント ストーナー ネオクラスト ドローン ドイツ シューゲイザー ハードコア ロック グラインドコア プログレ ギターロック ポストブラックメタル インタビュー マスロック ポストパンク デスメタル スウェーデン カナダ モダンへビィネス スラッシュメタル ブラックメタル ギターポップ エクスペリメンタル エレクトロニカ ジャンクロック イタリア インダストリアル ベルギー フューネラルドゥーム グランジ ノルウェー 年間BEST ジェント オーストラリア スペイン アコースティック ポップス プログレッシブメタル ラーメン ブラッケンドハードコア フォーク ミニマル モダンヘビィネス ニューウェイブ パワーヴァイオレンス ロシア ゴシックメタル ハードロック ファストコア ノイズ ニュースクールハードコア フィンランド メタルコア ゴシックドゥーム トリップホップ ヒップホップ 自殺系ブラックメタル オランダ 駄盤珍盤紹介 アブストラクト ノーウェイブ クラウトロック ダブ ヘビィロック パンク ゴシック ダブステップ ノイズコア シンガポール ラトビア ミクスチャー チェコ インディーロック メロディックパンク テクノ ポーランド ドラムンベース ウィッチハウス オルタナティブ アイルランド デンマーク スイス ヘビィネス メキシコ ポジパン ジャズ ヴィジュアル系 アシッドフォーク メタル ブルデス 声優 ボイスCD ドリームポップ トラッドフォーク クラストコア スクリーモ カントリー プリミティブブラック 韓国 ハンガリー アイスランド イラン シンフォニックブラック ギリシャ スコットランド USハードコア ポルトガル ガレージ ソフトロック フリージャズ モダンクラシカル 台湾 トルコ ファンク 

カテゴリー

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード

カウンター