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■Less Than TV presents another channel #52(2016年7月16日)@秋葉原CLUB GOODMAN

 秋葉原の名門ライブハウスであるグッドマンの20周年を祝すイベントの一環で開催された日本が誇る国宝レーベルLess Than TVのイベント。今回は先日復活を果たした山形のハードコアバンドShiftの7年振りの都内ライブ!!
 かつてLess Than TVからリリースされた名盤3wayスプリット「MORE HUGE TINY」にShiftと共に参加した柏のDeepslauterと小岩のTialaに加え、YOLZ IN THE SKYとニーハオ!とmilkcowという強力ラインナップ。転換はLess Than TV主宰者であり、U.G. MANをはじめ数多くのバンドに参加した歴戦の猛者である谷口順氏のアコースティックソロFUCKERと磐石のラインナップとなった。
 個人的な話にはなってしまうが、8年前の20歳の頃はレスザンのイベントに数多く足を運んでいて、Shiftをはじめとする今回のイベントの出演バンドはその当時何回もライブを観させて頂いた。8年の歳月を経た今、僕自身はどこか20歳の頃のワクワクとドキドキと共にグッドマンへと足を運んだ。



・Tiala

 スタート前からFUCKER谷口氏の弾き語りならぬ弾き叫びによる人間賛歌フォークパンクで既に湧き上がっているフロア。そして谷口氏の「Tiala!!!!!」という叫びから小岩のハードコア番長Tialaのライブがスタート。
 「MORE HUGE TINY」に収録されている「less talk more xxxx」からキックオフし、柿沼氏は早々にフロアへと降りて叫び倒す。Tialaは変則的ハードコアではあるが、フロアの空気さえTialaに染めてしまえば完全勝利なバンドだ。
 ダーティヒーローの風格を撒き散らしながらフロアを闊歩する柿沼氏、何度もモッシャーに飛び込み、気づいたら床に大量のフライヤーまで散乱している始末。今日という日が単なるお祭りで終わらない事を象徴しているかの様な光景である。
 セットは新旧のTialaの名曲を網羅したセットで盟友Shiftの復活を祝う物となっていたが、かつての楽曲も現在のTialaのキレまくりでグルーヴィーな演奏でよりパワーアップされており、小岩のハードコアヒーローの意地を見せつけるライブとなった。



・milkcow

 ツル氏の「 LET'S GRIND!!!」という高らかな宣誓から始まった出禁上等のイベント荒らしグラインドmilkcow。この日は全体的にツル氏は大人しくしているかなと思いながらライブを観ていたけど、気づいたらサーフされながら二階ののPA席まで運ばれていたり、フロアの客にどこからか登場したキャビを運ばせていたりとやっぱりやりたい放題。
 ブラストビートに合わせてフロアと一体になりながら手を振るいつものアレも飛び出したり、脚立やタムに座り込んだりと、いつものmilkcowだけど、普通じゃ無い事が普通になってしまっているのがmilkcowの凄さであり、このバンドが最強のパーティバンドとして賛辞を浴びる確かな理由だ。
 グラインドコアとか云々を抜きにして、徹底的にフロアを楽しませるエンターテイメントとしてのハードコアがmilkcowであり、最後の最後にツル氏がお家芸の火吹きをブチかました時のテンションは最高潮。反則技すらスタンダードにしてしまうのは無敵だ。



・ニーハオ!

 お久しぶりにライブを拝見するニーハオ!は4人編成となっており、ギターとベースと、他の二人でタムとスネアとハイハットを叩くという超変則スタイルのバンドに変貌。
 そんな変態的編成でありながら、楽曲は超キャッチー&超キュート。YUKARIさんのハイトーンボイスのボーカルと共にフレーズの複雑な繰り返しが生み出す快楽が最早一種のダンスミュージックとして機能している。
 途中でmilkcowツル氏も飛び入りしたりなんかもして自由なカオスが生み出され、最後は楽器すらもフロアの客に弾かせたり叩かせたりとドンチャン騒ぎに、自分もフロアに運ばれたタムを叩かせて貰ったりしたが、最後の最後はYUKARIさんがサーフされて大盛り上がりで終了。自由翻弄でありながらガッツリ掴んでいくライブであった。



・DEEPSLAUTER

 このバンドが登場したら誰もが無敵のパーティピーポー!!柏シティハードコアの一角DEEPSLAUTER!!!!!
 ShiftもTialaもそうだけど、「MORE HUGE TINY」に参加した活動拠点もサウンドスタイルも全然違う3バンドに共通しているのは強烈なオリジナリティと強靭な瞬発力。特にDEEPSLAUTERに瞬発力で勝てるバンドは他に存在しないと断言出来る。
 ショートカットチューンにこれでもかとフックとキラーフレーズを盛り込み、その音をトップギアでブッ放す。無尽蔵のエネルギーを躊躇せずに出し切るからこそDEEPSLAUTERはライブバンドとして長年に渡り名を馳せている。
 ツル氏の「おめぇよウソ付いてんじゃねえぞ?」の振りから始まった「ウソ」も大盛り上がりを見せ(この日はmilkcow以外でもツルさんは大活躍でした)、終始激烈なままで全てを貫くハードコアの真髄を発揮していた。DEEPSLAUTERには嘘偽りのないピュアネスがある。だからこそ毎回全力で格好良いライブをするんだろう。



・YOLZ IN THE SKY

 かつては何度もライブを観ていたが、本当に久々にライブを観るヨルズ。僕が知らない間に二人組となっており、ギター&ラップトップとボーカルによる編成へと変わっていた。
 バンドサウンドで変態的ジャンクロックを密造していた頃しか知らなかった僕だけど、現在のヨルズを観てまたド肝を抜かれた。ラップトップにより超ミニマルなビートとクラウトロックなどの実験的サウンドに接近したギター、以前とは変わらないのはゆらゆら踊りながら吐き出すハイトーンのボーカル位だろうか。
 徹底してミニマルに拘り、最小限のフレーズとビートのみをループさせるサウンド。しかし単なる垂れ流しにならずに緊張感を保ったまま緩やかに踊る独自のダンス理論。踊れなさそうで踊れるシュールさ、何よりも徹底して温度を感じさせない無機質なサウンドと掴み所が全くないままライブが続いた。
 観る側の時間感覚を捻じ曲げながら、自らの世界へと吸い寄せるヨルズのライブは以前とはまた違う形にはなっていたが、更なる変態バンドになっていた。僕個人としては、今のサウンドで再びバンド編成に戻ったらより無敵のバンドになる気がする。



・Shift

 トリは待ちに待った復活を果たしたShift。かつて何度もライブを観ていたバンドだけに今回の復活は本当に嬉しく思っていたが、再始動を果たしたShiftを観て感じたのは、このバンドが活動休止する前から何も変わらずに帰ってきてくれた喜びだ。
 Shiftというジャンクで切れ味しかない音と言葉を放つハードコアバンドはかつてライブでも狂騒感のみで突き抜けるバンドではあったが、当時から何一つ衰えを感じさせないライブを展開し、「本当に活動休止していたの?」と真面目に思ってしまう程度に復活したShiftには何一つ淀みも迷いも見当たらなかった。
 個人的に大好きな一曲である「新世界」が飛び出してくれたのも嬉しかったが、それぞれの楽曲がこれまでとアレンジが少し変わっていたりしたのも過去の焼き直しではなく、現在進行形のバンドとしてこれからも歩んでいくという覚悟の現れだったのかもしれない。
 最後はShiftのかつてからのキラーチューンである「I Was Robot」で締め括られた。アンコールこそは無かったが、怒りと衝動をそのままにShiftは帰ってくてくれた!!今後の新曲や展開などにも期待しているけど、僕の青春時代を象徴するバンドのライブがまた観れた事が何よりも格別だ!!



 最後はbossston cruizing maniaのボーカルであり、グッドマンスタッフのカシマ氏をステージに上げ、DEATHRO氏、谷口氏、YUKARIさん、milkcowビリー氏による「BE MY SELF」の演奏でグッドマンの二十周年を祝い大団円のラストを迎えた今回のイベントだったが、心は青春時代にタイムスリップしながらも、その当時ライブを観ていたバンドが未だに現役で格好良い音楽をプレイし続けている事が何よりも嬉しかった。
 Less Than TVのイベントにも本当に久々に足を運んだが、老若男女が自由に自分のスタイルで遊び尽くせるスタンスは何も変わっておらずそこもブラボーの一言に尽きるだろう。
 グッドマン20周年&Shift復活本当におめでとうございますという意味と出演バンド・Less Than TV・グッドマンの皆さんへのリスペクトを込め、今回のレポは締めさせて頂く。
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