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■second to none 1st. full album Bab-Ilu release show in Tokyo(2016年7月31日)@新大久保EARTHDOM

 90年代から活動を続け、ハードコアシーンの中でも孤高を貫き続ける大阪が誇る群青色の破壊神ことsecond to none(220)。その長い活動歴にも関わらず未だにリリースされていなかった1stアルバム「Bab-Ilu」のリリースに多くの人々が歓喜。そのリリースパーティの東京編は220一年振りの東京ライブという事もあって大盛況となった。
 東京を代表するエクストリームミュージックの猛者が脇を固めた今回のレコ発だが、僕自身は220のライブを今回初めて目撃する運びに。これまでのリリース音源、そして1stアルバム「Bab-Ilu」を聴いて圧倒され続けていたが、音源でも凄まじい音を実際にライブで体感したら死んでしまうのではないだろうか?そんな期待を抱いてしまうライブは本当に久々だ。果たして群青色で描かれた世界の先には何があったのだろうか。



・TERROR SQUAD

 今年頭にはSWARRRMとのスプリットもリリースし、大ベテランバンドでありながら未だに精力的にライブを重ねるスラッシュメタルからのロックスターことテラーはこの日もガッツリとアースダムを持っていった。
 スラッシュメタルから始まりながらもそのアグレッシブなライブは正にハードコアパンクであり、メタル・ハードコアの垣根をブチ壊す熱さがテラーの凄さ。、この日もボーカルの宇田川氏はキレッキレで何度もフロアに降りて客に絡みながらも渾身の言葉を叫び散らしていく。
 疾走感溢れるバンドサウンドは時にカオスを生み出していくが、太く屈強な幹の様な揺るがない強さ、時には壮大さすら想起させながらもそこにあるのは神々しさでは無く、人間の限界を超えてやろうじゃねえか!!という熱き闘志。限界突破の先にあるのは喜怒哀楽がグチャグチャになりながらも笑顔をフロアに向ける宇田川氏であり、そんな姿を観てフロアの人々も笑顔を浮かべていた。



・Funeral Moth

 春に2ndアルバムをリリースしたFuneral Mothだが、この日一番の静寂の美しさを体現するライブ。バンド名通り葬式その物なライブとなった。
 プレイしたのはたった2曲。盛り上がり所なんて皆無であり、心拍数が停止したBPMと極端に音数が減ったサウンドスケープ。クリーントーンの美しい音色と地の底から響き渡るグロウルが自然と共存し、退廃的美しさが生まれる。
 フューネラルドゥームというただでさえ特異な音楽の特に純粋なエッセンスだけを音にしているモスだけど、実際にライブを体感しているとその美しさは快楽に十分なり得る物であり、ただ漠然とその音を浴びているだけで濃霧の粒子の一部と聴き手は化す。
 ロングギターソロが静かに涙を流し、永遠とも思える時間を描き続け、気がついたらライブは終わっていた。沈黙を守りながら演奏を見守っていた聴衆のレスポンスは盛大な拍手であり、自らの世界に人々を引き込むモスの力量に感服した次第だ。



・Coffins

 葬式会場と化したアースダムを一変してパーティ会場に変えたのは俺たちのCoffinsだ!!ATAKE氏が加入してもうすぐ一年になるが、Coffinsは全く新しいバンドとして生まれ変わったと言っても過言ではない。
 ライブ開始前から既に出来上がった客は悲鳴にも似た歓声を上げ、ライブが始まると即座にピットは阿鼻叫喚。こんな光景はこれまでのCoffinsには無かった。
 音楽性が変わった訳では無い。寧ろこれまでのCoffinsだってフロアをアジテートする曲を十分生み出し続けていた。それが大きくアウトプットされる様になったのはATAKE氏がヘヴィなベースを弾き倒しながらフロアを盛り上げる様になったのもあるが、ボーカルのTOKITA氏のパフォーマンスがより攻めのモードに変わったのも大きいと言える。
 TOKITA氏は何度もフロアに飛び込んでサーフされていただけで無く、ドスく黒さの渦の中で笑っているかの様な余裕と貫禄を感じさせるまでになった。Coffins加入当時はここまで化けるなんて思ってもいなかったが、今やTOKITA氏は最強のフロントマンの一人だろう。
 ATAKE氏とTOKITA氏が場を盛り上げる中、ストイックにタイトなドラムを繰り出すSATOSHI氏、あくまでも自分の軸を守りながらも、メタラー魂を感じるプレイを繰り出すUCHINO氏、今のCoffinsは無敵のカルテットだ。
 オールドスクールデスメタルの核を貫きながら、デスメタルの最果てを目指すCoffins。デスメタルでもパーティバンドになれる事を証明してしまっている今のCoffinsは無敵だ!!



・second to none

 待ちに待った220。ステージは彼らのイメージカラーである群青色とは少し違うが青の照明が後光のみで照らされ、青のモノクロを生み出す。そしてライブが始まり最初の一音が鳴った瞬間に空気が一変するのを全神経で体感。
 実に一時間以上、フロアのとてつもない熱気に応えてダブルアンコールと、かなりの盛り上がりでライブは幕を閉じたが、その一時間以上のライブの間、一瞬たりとも気を緩める事は許されなかった。
 思えば220は異常過ぎるバンドである。90年代ハードコアから登場しながら、その当時から同じスタイルのバンドは皆無、バンドの歴史を重ねる毎に更に孤高の存在と化し、90年代の時点で何でこんな音が出てくるんだという驚きは2016年現在、誰も到達出来なかった世界へと踏み入れている。
 220のライブは音源以上に神話的な世界の空気を生み出し、アルバムタイトルである「神の門」の旅路を分子レベルでまで精密に生み出していく。しかしただ圧倒的な音で黙らせるだけでは終わらないのが220だ。激重のツインギターのリフ、常にループする霧状のハウリングノイズ、乾ききったグルーブとビート、リバーヴのかかったボーカルの呪詛。それらがブルータルなリフが刻まれた瞬間に神々しさから破滅の悪意へと変貌し牙を剥く。そうなったらピットは一気に荒れまくり、音もその空間で起きている現象も地獄へと変えてしまう。
 中盤の「Wrongside」から「All You Know」の流れには220の音に飲み込まれて陶酔していた全感覚のギアが変わり、本能の中にある殺意や悪意を丸裸にされてしまいそうになり、本編ラストの「The Tale's End - The Method To Calm Your Evil Down -」は音源でもゲストボーカルで参加したANYOの4hoさんが登場し、220が産み落とした神の世界に最後の仕上げとして美しきモノクロの声を添える。4hoさんのボーカル音量が小さかったのだけ少し残念ではあったが、暴力と殺意と救いとアート性が全て帰結した音に殺された。
 こんな人を黙らせる音の筈なのに、その神秘の世界の真裏には惨たらしい血溜りが存在し、光と闇・美と醜・青と黒、全ては表裏一体で存在している。その音に黙るしか無くなった人もいれば、ピットで暴れまくる人もいる。
 ただこれだけは言える。聴く人や観る人に何の答えも与えず、その音に委ねる事だけを許す220はハードコアの一つの完成型だ。ここまでヘヴィさもグルーヴもコンセプチュアルさもブルータルさも手にしたライヴをするバンドは存在しない。



 もし今後近くで220のライヴがあったら意地でも足を運んで欲しいと心から願う。これはライヴでも何でもない、人間の想像を超えた儀式だからだ。
 大阪という激音爆心地は本当に数多くの素晴らしいバンドを輩出したが、220はハードコアのままハードコアを超えた先の「何か」を群青色で塗りつぶす表現へと到達した。そして220という化物達をそれぞれの殺り方でブチ殺しにかかった都内の激音バンドもまた違うベクトルでそれぞれ素晴らしいステージを見せてくれた。
 とんでもない激音を全身で浴びたから帰宅後は疲れが一気に来てダウンしてしまったが、その疲れは余韻とか心地よさとは全然違う物だった。凄まじい物を体感した事実を体中の細胞が必死で受け止めているからこその疲労だった。こんな体験をするライヴが今後あるかどうか僕には分からない。
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