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■Boris

■Heavy Rocks 2011/Boris


Heavy Rocks 2011Heavy Rocks 2011
(2011/05/24)
Boris

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02年に発表されたBorisが最もストレートなヘビィロックを鳴らした名盤である、「Heavy Rocks」。それと全く同じタイトルと色違いのジャケットで発表されたのが今作である。しかしながら内容は全く違う物であり、2011年のBorisのヘビィロックが収録されており、02年の「Heavy Rocks」から更に進化した音を鳴らしている。」多彩なゲストを集め、より多方向に拡散する音楽的豊かさも今作にはある。



 BXIでのコラボレーションも記憶に新しい、Ian Astburyがリードボーカルを務める第1曲「Sugar Riot」から煙たい轟音が空間を埋め尽くす仕上がりだ。その轟音は甘く豊潤な物であり、Ianの色っぽいボーカルと見事に調和、とんでもなくヘビィでありながらも浮遊感溢れる轟音はBorisが長年かけて積み上げたヘビィロックの美学を徹底的に貫かれた物になっている。Atsuoのシャウトが響き渡る第3曲「Galaxians」は間違いなくこれからのBorisのキラーチューンとなるであろう疾走するストーナーロックといった仕上がり、シンプルで格好良いリフで埋め尽くされながらも、宇宙を掴み取ってしまう位の跳躍力を見せ付けているのだ!第4曲「Jackson Head」や、第7曲「Window Shopping」も空間を埋め尽くすヘビィなリフが前面に押し出された楽曲であり、様々なアプローチを数多くの作品で繰り返した末に回帰したヘビィロックはシンプルでありながらも細部の音は徹底的に拘った物になっており、やはり一筋縄ではいかない。しかし前回の「Heavy Rocks」との一番の違いは第5曲「Missing Pieces」の様な長尺のサイケデリックな楽曲も収録されている事であろう。アンビエントな静謐さから地盤沈下を起こしかねないドゥームな音に変化し、静謐な轟音に行き着く様は、ヘビィロックサイドであるborisとアンビエントサイドであるborisの境界線を完全に破壊したBorisが行き着いたヘビィロックの最果てだ。第9曲「Aileron」もヘビィでありながらも終わり無くシューゲイジングする轟音はTORCHEとのスプリットに収録されている「Luna」をより進化させた物だ。全てを破壊し、全てを肯定するかの様な優しき轟音は今作でのBorisの最も確かな形で鳴らしている。



 今作を含む2011年のBorisを全く違うやり方で体言した3枚のアルバムであるが、今作はBoris本来のヘビィロックを見せてくれた作品であり、ヘビィロックの可能性を追求した快作だと言えるだろう。「New Album」ではポップさをBorisなりに追求し、「Attention Please」ではwataのキャラクターを前提にした作品を作り上げたが、やはり本来のBorisはヘビィでありながらも型に嵌らない実験性豊かな音楽性だ。このタイミングで再び「Heavy Rocks」という名を冠した作品を作ったのには大きな意味がある。さてBorisの追求するヘビィロックはどこに向かっていくのか、今作を聴いた限りでは分からないし、それが矢張りBorisらしいと思う。



■Attention Please/Boris


Attention PleaseAttention Please
(2011/05/24)
Boris

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 2011年に入ってから、まさかのエイベックスからの新譜の発表と音楽ファンの間で事件を巻き起こしているBorisだが、今年に入り3枚のアプローチの全く作品を発表し話題を生み出している。今作はその中の一枚であり、全曲で女性ギタリストであるwataがボーカルを務めている。サウンドの方はBorisらしいヘビィさは無いが、サイケデリックで幻想的なサウンドがwataの声と見事に調和して浮遊する心地よさと、そこに孕んでいるダークさが陶酔感のあるサウンドになっている。



 今作はBorisのアイコン的存在にもなっているwataというキャラクターのイメージや雰囲気を前提にしたコンセプトアルバムであると言えるが、wataの持つダークであり、神秘的で謎に包まれたイメージを逆手に取って遊んでいるかの様な作品だ。第1曲「Attention Please」はくぐもったダークさとwataの艶やかな歌声が霧に包まれているかの様な不明確な輪郭を手探りで探すかの様な不穏な美しさも孕んでい楽曲であるし、。9dwとのスプリットに収録されていた楽曲をアレンジした第5曲「Tokyo Wonder Land」も低体温の冷徹さを持ちながらサイケデリックで煙たいギターフレーズが印象に残る良曲だ。今作に収録されている楽曲の大半は体温を徹底的に排除した深い霧に包まれているかのサイケデリックであり幻想的な音がwataという人物の歌声とキャラクターの魅力を確かな物にしている。その中でも第2曲「Hope」や第9曲「Spoon」の様に疾走感に満ちたギターロックナンバーの存在もまた大きい。陽性の旋律の心地よさを持ちながらも浮遊感のある声とアレンジはやはり幻想的であるし、第3曲「Party Boy」や第8曲「Les Paul Custom '86」の四つ打ちのビートと重低音の利いたダンサブルな楽曲は光の交錯するキラキラとした楽曲であるし、その様な楽曲を作品に盛り込むことによって、wataという被写体を何台ものカメラで撮るかの様な働きをしているし、彼女の魅力を引き出す立役者になっているのだ。



 Borisが長年のキャリアの中でも、このようなコンセプトを持った作品はやはり異質だ。Borisらしい爆音のサイケデリックさを封印する事によって、wataのキャラクターを前面に押し出したキャラソン集の様な作品だと言っても良いだろう。だがそれでも極上のポップさとダークな冷徹さを交錯させる楽曲の構成だったりはBorisを封印したからこそ出来た新境地でもあるし、この様な作品を作った事によって、この先のBorisがどう変化するかは非常に興味深い。それにしてもwataを初音ミクの様に使った今作のコンセプトは、アニメソングだったり、ボーカロイドだったりの文化が大きな流れを作っている現在のポップソングの在り方みたいな物にBorisなりのやり方で接近したとも言えるし、wataという存在を大前提においた上で、どの様なアプローチが出来るかを探っているかの様な実験作でもある気がするのだ。



■boris at last-feedbacker-/Boris


boris at last-feedbacker-boris at last-feedbacker-
(2003/12/25)
BORIS

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 ヘビィロックを始点に全方位に向けて、ありとあらゆりボーダーを破壊する日本が誇るヘビィロックモンスターであるBoris。今作はアンビエントサイドの名義である「boris」名義で03年に発表された、僅か1曲の約44分の大作である。しかしその44分の中で繰り広げられるのは、小さな子宮の様な世界から大きなうねりを作り上げ、全ての始まりを告げるかの様なビッグバンだ。それは美しい轟音の彼方へと全てを吹き飛ばす、次元と時空を超越するかの様な音のトルネードである。



 静謐でアンビエントなギターの音色から今作は始まり、緩やかで優しい体温を持つ音がサイケデリックな酩酊感と共に鳴り響く序盤。そこからギターが徐々に熱量を高めて轟音の彼方にシューゲイジングしていく。そこにはヘビィロックからアンビエントもサイケもポストロックも全てをBorisという軸で繋ぎ合わせた深遠なる音の坩堝が見えてくる。そして後半に一気にドゥームなカラーを持つリフが登場し、ヘビィロックからありとあらゆる方向に無数の線が伸びる音のパラレルワールドが展開されていくのだ。ストーナー色の強いヘビィなリフと延々と鳴り響く静謐で美しいフィードバックノイズは螺旋の様にグルグルと絡み一つの音塊として確かに存在し、轟音が作り出す真っ白な渦と霧の中で美しい光が幾つも差し込むかの様な感覚なのだ。そしてその先にあるのは全てを飲み込む終わり無きフィードバックノイズだ。音の輪郭は崩壊し、美しき幻想的な色彩が混ざり合い、マーブルカラーになり黒く染まるかの様な、もしくは真っ白な「始まり」の様な「終わり」の様な果て無き幻想世界の様な、爆音の宇宙へと突き落とされていく。ただ目の前にある音が作りだす創造と崩壊のドラマをただなすすべなく観るかの様な。



 この作品は一つの宇宙レベルの創造と破壊を描いたかの様な登場人物無き映画の様な作品だと僕は勝手に思っている。ヘビィロック・アンビエント・ドゥーム・ストーナー・サイケetcとあらゆる音を飲み込み鳴らす、小宇宙の様な音が確かに存在している。その音の意味はやはり聴き手によって違うだろうし、そこはそれぞれが想像する物が答えだ。全方位に放出されるフィードバックノイズの織りなすのは、ただ確かに存在する「彼方」の世界だ。Borisはその語り部としてただ存在する。間違い無く大傑作。ただ轟音の彼方へ身を任せて欲しい。



■Amplifier Worship/Boris


Amplifier WorshipAmplifier Worship
(2003/03/11)
Boris

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 日本が世界に誇るヘビィロックバンドであるBorisの98年発表の2ndアルバムが今作だ。実験精神から様々なアプッローチを貪欲に繰り広げてるBorisであるが、可愛らしいカエルのジャケとは裏腹に、今作はドゥームメタルとしてのBorisが歴代の作品の中でもかなり出た作品に仕上がったといえる。リフの一音一音がとてつもなく重く、引き摺りまくったサウンドの推進力はかなり遅く、巨大なハンマーでじわじわと押し潰されてしまう感覚を味わってる気分になる作品だ。



 第1曲「Huge」から凶悪な殺意が渦巻いていると言っても過言ではない。wataの「全てに還る」の言葉から一気にヘビィなドゥームリフが炸裂、しかもボーカルは殆ど入っておらず、ほぼ1リフで展開され、終わりの無い悪夢にいきなり連れて行かれる必殺の重圧殺ドゥームだ。第2曲「Ganbou-Ki」も序盤は圧殺ドゥーム地獄だが、中盤からドゥームサウンドは次第に大地の躍動を感じる様なダンサブルなサウンドへと変貌していく。凶悪なベースリフは延々と繰り返されるが、スペーシーなギターの音と力強くパーカッシブなドラムは重たい酩酊感に悩まされながらも踊り続けている気分になる。そして終盤で一気に高まっていき再びドゥームになり終わっていく、ヘビィなだけでは終わらないのがBorisの音楽性の幅広さと実験性を見事に証明している。第3曲「Hama」は一気に速度を高めて、ヘビィにブギーするストーナーサウンドを展開。Green Machine辺りのバンドにも通じるであろうロックバンドとしての強さを押し出していて非常に気持ち良い音だ。そして今作のハイライトは間違いなく第4曲「Kuruimizu」である。のっけから繰り広げられる瞬殺安定なドゥームリフが先ず素晴らしい、そして速度は少しずつ落ちてゆき、その先からは小文字boris的な壮大なアンビエントが繰り広げられる。序盤とは打って変わって静謐で美しい音が広がっていく様が本当に素晴らしい。大地震によって全てが無に還ってしまった大地から、時間をかけて新たな世界が生まれ広がっていくのが目に浮かんでしまう。そして最終曲である第5曲「Vomitself」は今作で最も重く遅い拷問系ドゥームであり、17分に及ぶ地獄を経て全てに還っていく。



 初期Boris屈指の名盤であり、ドゥームメタルとしてのBorisが無差別に大量殺人を繰り返してる様な作品だ。サザンロードから海外盤が発表されたのも納得出来る。しかしヘビィさだけに頼らず様々なアプローチを実験的に繰り広げ、全5曲共それぞれが全く違う顔を見せる。じわじわと様々な方法で聴き手を嬲り殺しにしてしまってるんじゃないだろうか。どこまでも無慈悲で極悪な死神としてのBorisが極まった名盤だ。



■あくまのうた/Boris


あくまのうたあくまのうた
(2003/06/06)
BORIS

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 今や日本が誇る世界規模の爆音ヘビィロックバンドであるBorisの2003年発表の6曲入りEP。スト-ナー色の強い煙たく攻撃的なエネルギーがこれでもかと攻めてくる快作に仕上がっており、音割れ上等な音質の悪さも、危険な陶酔感を際立てるのに一役買っている。



 第2曲「Ibitsu」や第3曲「フリー」の2曲は今作のストーナーロックとしてのBorisを見事に体現した楽曲だ。Borisのウリはどこまでも極限にヘビィなサウンドであるが、同時に作品毎に多彩にサウンドを変化させるのもBorisの大きな魅力だ。ヘビィさはそのままにロックバンドとしての疾走感やストーナーの危険な陶酔のサウンドを一気にブチ込んでいる!隙間無く埋め尽くす音の嵐に飲み込まれてしまいそうだ。しかしそれだけで終わらないのは流石はBorisといった所、第4曲「無き曲」では内に向かっていくアンビエントで美しい不穏のサウンドが静かに奏でられていく、そしてその湿度を保ったまま、一気に壮大なストーナー絵巻に変貌を遂げていく。繊細なサウンドは一気に殺人的轟音に変わり、湿度の高いメランコリーさと、乾いたストーナーサウンドを見事に共存させているのは特筆すべき点だ。ドラのイントロが印象的な第6曲「あくまのうた」のドゥームさが響く前半から一気に疾走感を持ったストーナーに変わり、破滅に向かって暴走していき、ハリケーンの様な音塊は一気に極限へとワープし消え去っていく。



 前作「Heavy Rocks]とはまた違うヘビィさを持った今作、ストーナーロックのサウンドを基盤にしながらBoris独特のヘビィさやメランコリーさや、アンビエントなカラーを見事に融合させている。個人的にはこの作品があったからこそ後の代表作の一つである「PINK」があるんじゃないかと思う。6曲30分のスモークまみれの音の世界に是非酔いしれて欲しい。



プロフィール

AKSK

Author:AKSK
メジャーの物からマニアックな物まで良い音楽を幅広く紹介してこうと思ってますが、ハードコアとかが多目だったりします。他にもコラム書いたりもしています。

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